スマートビルディングの最新技術として、顔認証システムが注目を集めています。
本記事では、そもそも顔認証システムとは何なのか、認証の仕組みはどうなっているのか、顔認証システムを導入するメリット・デメリットなどを解説していきます。
市場規模が拡大しつつあるスマートビルディングの中の最注目システムにご興味がある方は、ぜひご覧ください。
スマートビルディングとは
スマートビルディングとは、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)やAIなどの最新技術を備えたオフィスや商業施設などのビルのことです。
※またはそれらの管理手法のこと
様々な設備をインターネットに接続し、照明や空調、入退室などを自動かつ効果的に管理・制御することが可能です。
また、ビルの利用者の行動データや空調データ、温度や湿度データを収集し、それらリアルタイムで可視化・分析できます。
スマートビルディングの市場規模は年々拡大しており、2021年時点では726億米ドルであるのに対し、2028年には約2倍の1417億米ドルに達する見込みです。
新型コロナウイルスの感染拡大により非接触の推進やマンパワーからの脱却が強く求められたこと、スマートシティの推進が各国でうたわれて始めたことが、市場規模拡大の主な要因とされています。
今後のスマートビルディングは顔認証システムに注目
そんな中、今後のスマートビルディングは顔認証システムに注目が集まっています。
顔認証システムとは
顔認証システムとは、カメラやセンサーが取得した映像や画像から顔を検出し、本人かどうかを検証・認証する技術のことです。
顔認証の精度向上にはAIによるディープラーニングが活用され、目・鼻・口などの位置や、顔を構成する領域の大きさなどをもとに本人かどうかを判断します。
指紋で判断する「指紋認証」や、目の動作で判断する「虹彩認証」と並び、生体認証システムの代表格に数えられます。
今やスマートフォンにも搭載されることが多く、身近な認証システムとなりました。
顔認証システムの2つの方式
認証方式には「2D顔認証方式」と「3D顔認証方式」の2種類あります。
2D顔認証方式とは、カメラにうつった顔のパーツを平面で認識し、データベース上の当人と照合することで認証する仕組みです。
簡易的な認証方法であることから、対応デバイスが多く、比較的安く導入することができます。
一方で、照明などの光の量や顔の角度、化粧や髪型の違いによって認証精度が下がる点が大きなデメリットです。
対して3D顔認証方式とは、赤外線センサーを加えて顔を立体データとして捉えることで認証精度を向上させた、いわば2D顔認証方式の上位互換です。
光の量や顔の角度の違いがあっても問題なく認証ができます。
一方で、赤外線に対応したデバイスを用意する必要があることや、その分購入費用が高額になってしまうことがデメリットです。
数多くの人が出入りし、かつセキュリティ面で認証失敗を必ず避けなければならないスマートビルディングにおいては、3D顔認証方式の導入が推奨されています。
スマートビルディングに顔認証システムを導入するメリット
スマートビルディングに顔認証システムを導入するメリットは大きく5つあります。
それぞれ紹介していきます。
セキュリティレベルが高い
顔認証システムは、虹彩認証や静脈認証に並んで認証精度が高いとされています。
例えば、ひとの目では判断しづらい双子の方でも、顔認証システムであれば問題ありません。
また、ICカード認証や指紋認証であれば、偽装される可能性が伴うためスマートビルディングが求めるセキュリティレベルには到達していません。
顔認証システムのセキュリティの高さであれば、スマートビルディングに適しているといえるでしょう。
非接触なので衛生面に優れている
新型コロナウイルスが蔓延している中で、感染予防の観点から非接触が推奨されていますが、スマートビルディングにおいて顔認証システムはまさに最適解です。
同じ生体認証である指紋認証や静脈認証は、認証デバイスに体の一部を触れさせる必要があります。
これらと比較しても、衛生面に優れている顔認証システムはコロナ禍において強く求められています。
IDやパスワードの漏洩リスクがない
顔認証システムは身体の一部である顔面を使って識別するため、IDやパスワードが不要です。
また、ICカードなどの鍵媒体を持ち歩く必要もありません。
セキュリティを高く維持するうえで最も避けたいのは、認証媒体の漏洩・紛失です。
その点では、漏らしたり失くしたりするリスクがない顔認証システムはスマートビルディングに必要です。
スムーズな入退室が可能
顔認証システムでは、身体の一部を接触させる必要がなければ、ICカードを取り出す手間も発生しません。
仮に両手がふさがっていてもカメラに向かって顔を向けるだけで1秒程度で認証が完了するため、スムーズな入退室を実現できます。
最新機器では、マスクを着けていても認証が可能なものも開発されています。
コロナ禍においてマスクを外すことは、感染予防の観点から避けたいところ。
それさえも顔認証システムではカバーできてしまいます。
また、スムーズな入退室は従業員などのビル利用者の満足度を向上させる効果もあります。
結果的に生産性向上や待ち時間などで発生する時間コストの削減に繋げることが可能です。
これを付加価値としてビルのテナント入居者を募集すれば、比較的空室を防ぐことも可能となるため、スマートビルディングの管理者にも大きなメリットとなります。
同時に検温できるシステムがある
新型コロナウイルスの感染予防対策として、検温は欠かせません。
最新の顔認証システムには、認証と同時に対象者の体温を測定できる機能を有する機器があります。
これを活用すれば、異常体温の方のビル内への入室を事前に防ぐことが可能です。
スマートビルディングに顔認証システムを導入するデメリット
このように様々な導入メリットがある顔認証システムですが、デメリットもあります。
それぞれ詳細に見ていきましょう。
認証精度が低いシステムがある
特に先述した2D顔認証方式が該当しますが、認証精度が低いシステムがあることは否めません。
認証ミスはスマートビルディングにおいては必ず避けなければならない事態です。
まずは認証精度を確保するために3D顔認証方式の導入を前提としたうえで、メーカー選びは慎重に行うことが求められます。
環境によって精度が落ちる場合がある
こちらも2D顔認証方式に限ったことですが、光の加減、髪型や化粧の違いといった認証環境によって精度が落ちてしまう場合があります。
認証のムラはあってはならないので、少しでも精度が高い顔認証システムを導入しましょう。
費用が発生する
顔認証システムに限らずですが、新しいシステムを導入するとなると費用が発生します。
システム利用料に加えて、カメラやセンサーといった認証デバイス、データ保存用サーバーなどを用意すると、数万円~数十万円は必要です。
個人情報の取り扱いに注意が必要
人の顔は個人情報の中でも特に注意が必要です。
情報漏洩対策はもちろん、日々の取り扱いも慎重に行わなければなりません。
最悪の場合、人権問題への発展リスクも伴います。
「事前に許可を得ておく」「顔のデータは暗号化して保存する」といった対策が求められます。
スマートビルディング×顔認証システムの動向を要チェック!
複数デメリットを挙げましたが、それを凌駕するメリットが顔認証にはあります。
より質の高いスマートビルディングを推進していくうえでは、今や必要不可欠なシステムといえるでしょう。
ただし、精度の低い顔認証システムの導入と、個人情報の取り扱いには十分に気を付けましょう。
これらに細心の注意を払えば、問題はありません。
これからさらに拡大していくであろうスマートビルディングと、それに伴い導入が加速する顔認証システムの動向を、今後もチェックしてみてはいかがでしょうか。
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