ビルメン/顧客満足度(CS)を上げるには?

ビルメン/顧客満足度(CS)を上げるには?

安全で快適な居住空間と清潔さを求められるビルメンテナンス業務においては、顧客が期待する満足度を高めるサービスを継続して行えることが大切な要件となります。

 

顧客満足度を高めるサービスを提供するには、現場の従業者だけでなく、経営陣を始め顧客と接する営業事務スタッフまで一体となり、リスクマネジメントを共有して取り組む必要があります。

 

顧客はビルメンテナンス業務のサービスに何を期待しているのかを掘り下げて、取り組むべき課題を考えてみましょう。

 

顧客満足度とはそもそも何か?

顧客満足度とは、「サービスの提供を受けた顧客において、どの程度の満足感を得たか」という度合いを図るものです。

 

顧客満足度という言葉は、戦後アメリカより導入された「Customer Satisfaction」の頭文字をとって「CS」と呼ぶマーケティング手法のひとつの方法です。

 

そのCSを図る手法として「アンケート」及び「インスペクション」等によっての結果分析を検証して顧客満足度の向上につなげる意味で、各消費者に向けたメーカーが導入し、やがてサービス業界にも普及していったものです。

 

ビルメンテナンス業界では、顧客がどの程度満足しているかを“クレーム”が生じていないということがよい評価になっているという思い込みで推移してきました。

 

ビルメン側としてみれば“汚れのないきれいな仕上がり”“設備等に異常がない”で満足を得られていると自己満足型によるものでした。

 

「サービスを提供してさえいれば満足してもらえた」というバブル崩壊以前の時代から近来は「より良いサービスをどのようにして提供したら満足してもらえるか」へと転換を迫れている時代へと推移してきましたので、ビルメン業界でもCSの重要性が増しています。

 

顧客満足度を高めるには

ビルメンテナンス業務は清掃や設備点検・修理などのサービス提供による結果が求められる業種です。

 

実績評価も重要ですが、それ以前に顧客がなにを期待しているかを把握して検証しサービスに繋げられるかが大切です。

 

〇顧客へのカスタマーサポートの実行

現在やや下火になっているかのような印象がある新型コロナウィルスですが、今だ埋れ火の様にくすぶっているのが現況です。顧客もビルメン業者も少なからずコロナ禍による疲弊感が残存しています。

 

コロナ禍による契約変更や仕様の変更もビルメン業界では顕著であったということです。

その様な異常事態にこそ顧客とのコミュニケーションは大いに必要となり、真摯に向き合うことが顧客満足度を高めることとなるのです。

 

顧客からの相談や依頼については迅速に対応するのが原則ですが、専門的知識に乏しい顧客がサービス内容について問い合わせがあった場合のみ対応するのではなく、顧客が知りたい情報や困りごとなどを事前に察知して提案するという能動的な対応が信頼性を高め満足度につながります。

 

〇従業員満足度の向上

従業員満足度は「Employee Satisfaction」の頭文字をとってESと呼んでいます。ビルメンテナンス業務は主に「人(ひと)」が行うサービスといつてよいでしょう。

 

ビルメンの悩みの種となっている離職率や人手不足を解消し、ESの実現に向けての手段を考えていかなければなりません。

 

企業が従業者に対して働きやすい職場環境の整備や、積極的な資格・技能習得の場の奨励、新技術の導入など、現場のより良い環境改善を図るなど、取り組みやアイデアの勉強は欠かせません。

 

・社内外の報・連・相の徹底やコミュニケーションの重要性を認識し、風通しのよい職場環境の構築。

・モチベーションアップへ

 

モチベーションが低下する原因の分析が必要。ロールプレイングを実践し、上手なほめ方の実践によってモチベーションアップにつなげる

 

・チーム力アップ

P(計画)・D(実行)・C(評価)・A(改善)サイクルの理解と実行につき会議などを通して意見の交換を行い、作業チームが納得、理解することによってより良いチームワークが出来上がり重大なインシデントの予防効果ともなるでしょう。

 

ビルメンの顧客満足度調査

ビルメンテナンス業務のサービス提供において、品質面での満足度アップにつながる達成度として業務プロセスでは「結果の確実性、効率性、技術力、アフターフォロー、信頼性、安定性」、管理部門では「応対・マナー、コミュニケーション力、事務の迅速性、提案力」などが満足度評価の主な対象となっています。

 

〇アンケート調査

ビルメンに限らずサービス業界においては定性的(物事を数値化できない部分に着目する)にとらえてサービスと品質の結果を感覚的に満足か不満足かアンケート調査によって評価する手法が一般的です。

 

すなわち、期待以上の成果があれば“大満足”、期待通りであれば”満足“、期待以下であったならば”不満足“といった達成レベルに関するいわばアナログ的な評価方法ですが、顧客の回答は業務改善に少なからず役立ち、現状の実務の可視化に大変有益であり、顧客満足度のイメージアップにつながります。

 

〇顧客満足度調査のこれから

ビルメンテナンス業において、これからの満足度調査に関しては、サービス提供の結果(成果)に対してファシリティマネジメントの取り組みのひとつとされる、提供するサービスのレベル(品質の定義、範囲、達成度)に関しての保証を契約者に対して明示するもので、合意書を交わす場合もある

 

「SLA(Service Level Agreement:サービス・レベル・アグリーメント)及び、顧客満足度や従業員満足度に関して目標達成に向かって、期待度との差をプラス値やマイナス値で示して定量的に評価するための指標となるKPI(Key Performance Indicator:キー・パフォーマンス・インディケーター)「重要業績評価指標」と呼ばれているものをビルメン企業でも近来導入し始めています。

 

顧客満足度に関して、こうした手法は客観的に評価基準が表され、企業内において公平な評価を行うことができ、各部門のモチベーションUPやパフォーマンスUPに繋がることとなり大きなメリットが生まれますので、これからのビルメンでも考慮する時がきていると感じます。

 

※ ファシリティマネジメント(建物などの施設や設備の環境を良くするため、及び快適さを維持していくために総合的に管理し、効率的及び戦略的に管理し経営していくための組織運営の方法)

 

まとめ

顧客満足度とは、「サービス提供に対してお客様がどの程度の満足感があるのか」ということです。

 

ビルメンテナンス業務において顧客満足度調査による実績評価を把握することは大切なことですが、期待値を上回る結果は望ましいことですが、顧客が何を期待しているのかを事前調査によって把握することが大切であり、コミュニケーション力が問われます。

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