ご相談者:Cさん(28)最近管理職になりました
名刺交換は言ってみればセレモニー(儀式)です。
初対面時、どこの誰かを伝え合える簡潔で友好的なものです。同時にどんな人なのかと「値踏み」したりされたり、つまり見定め合う場でもあります。
第一印象は短時間で決まり、あとあとまで残ります。身だしなみや笑顔、姿勢、話し方、名刺の扱い方など印象の良いものを身につけていきましょう。
今の時代、勝手にふらっと入っていけるオフィスはありません。
飛び込み営業ができない理由の一つでもありますが、入り口にはセキュリティー上、鍵がかけられています。
ですから、外回りにいく場合もあらかじめアポイントを取ります。アポが取れたということは、「会うつもりがある」という意思表示です。これが切り出し方の一つのヒントです。
会いたい本人に会った時、まず感謝を伝えます。
「本日はお時間をいただきましてありがとうございます。初めてお目にかかります、株式会社〇〇のCと申します。よろしくお願いいたします」と言って名刺を胸高に準備し、交換の意思を示します。
この体勢を目にしたほぼ100%の人が素早く反応し、名刺交換が始まります。
名刺は名刺入れから出します。定期入れやお財布はNGです。
名刺入れはシンプルなデザインの革製で二つ折りが扱いやすく、20~30枚ほど天地逆方向で入れます。天地逆は出してすぐに相手正面で渡すための準備です。
名刺交換後は世間話、いわゆる雑談タイムです。無難なのは「今日は暑い/寒いですね」などの天候の話。
おすすめは趣味や最近ニュースになった話題など。自然な形で話し、かつ相手に不快感を与えないことがポイントです。
話題は暗いものより明るいものを。常識的な「ネタ」を、意識的に広く仕入れておいてください。
人種、宗教、政治はここでの選択肢にふさわしくありません。加えて野球の話も人によってはケンカの元になるため要注意です。
この時間と話題を共有できるか否か、計り計られます。雑談は場の雰囲気の共有に必要とも言われる、本題に入る前のウォーミングアップです。
著者
川崎美紀(かわさきみき)
研修講師 オフィス リバー
国際線CAとして活躍後JALアカデミーのインストラクターに転職。同時に個人事務所を立ち上げ、全国各地でマナー研修や講演を行う。2012年独立。CDA(キャリア・ディベロップメント・アドバイザー)、キャリアコンサルタント資格を取得し、キャリアカウンセリングにも従事している。著書に『川崎美紀のSMILE通信 きょうもおもてなし日和』(クリーンシステム科学研究所 発行)がある
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