持続可能な開発目標を意味するSDGsという言葉、最近ではテレビや企業広告などで耳にする機会が増えてきて興味を持っている方も多いかと思います。
SDGsは2030年までに達成するべき具体的な目標を掲げたものですが、そんなSDGsでの目標値に対して、日本の現状はどのようなものになっているのでしょうか?
今回はSDGsの視点で見たときに日本の置かれた現状と、これからの取り組みについて解説していきます。
1.SDGsへの日本の評価と課題
引用:https://pxhere.com/ja/photo/535638
SDSN(持続可能な開発ソリューション・ネットワーク)は、各国のSDGsへの取り組みを17の目標ごとに評価し、毎年ランキング形式で発表しています。
2021年版のランキングによると、日本は世界で18位となっていて、これだけ見れば日本はかなり優秀な成績だと思えるかもしれません。
ですが、実は2017年に11位を獲得して以降、日本の順位は年々下降を続けているんです。
世界的にはまだまだ上位に位置づけられている日本ですが、正しい現状を知ることで今後の一人ひとりの意識を変えていく必要があります。
・日本が評価されている点
全体的に高い評価を得ている日本のSDGsへの取り組みですが、その中でも以下の3項目は世界的にも優秀な水準にあるとされています。
・質の高い教育をみんなに
・産業と技術革新の基盤をつくろう
・平和と公正をすべての人に
しっかりとした教育システムに基づいた、発展した科学技術や国民全体の道徳性の高さがこれらの項目の評価につながってきていると考えられますね。
・日本が抱える問題点
優秀と評価される項目がある反面、以下の5項目については改善が必要と指摘されています。
・ジェンダー平等を実現しよう
・気候変動に具体的な対策を
・海の豊かさを守ろう
・森の豊かさも守ろう
・パートナーシップで目標を達成しよう
ジェンダー平等や環境問題といった、最近ニュースなどで目にする機会も多い項目が並びます。
日本は海と山に囲まれた自然豊かな国ですので、特に環境問題については身近に感じる人は多いのではないでしょうか。
2.SDGsの達成に向けて
引用:https://pxhere.com/ja/photo/722232
現在は世界的に見て高い水準となっている日本のSDGsの達成状況ですが、評価されている項目よりも改善が必要と指摘された項目が多いなど、まだまだ見直しの余地はあります。
では、目標達成に向けて、日本ではどのような取り組みが行われているのでしょうか?
・日本が行うSDGsへの取り組み
2030年の目標達成に向けて、日本では全ての国務大臣がメンバーとなる「SDGs推進本部」を設置し「持続可能な開発目標 (SDGs) 実施指針」を決定しました。
ここでは、SDGsで示される17の目標の中で、日本が特に率先して取り組むべき8つの優先課題が掲げられています。
日本国内では多くの企業がこの指針に基づいた独自の取り組みを行っていて、例えばアサヒ飲料はラベルレスのペットボトル販売を行ったり、芸能プロダクションの吉本興業では笑いを通じたSDGsの推進に協力するなど、企業ごとにオリジナリティあふれるものです。
企業ごとのSDGsへの取り組みは多くの場合にホームページで確認できますので、調べてみればさらにSDGsへの関心が増すことになるかもしれませんね。
また企業だけでなく、SDGsへ先進的な取り組みを行っている自治体を「SDGs未来都市」と選定して、持続可能なまちづくりを政府が支援する仕組みも用意されています。
このように現在、日本では官民一体となってSDGsの達成に向けた様々な努力が行われています。
・個人でもSDGsに貢献できる
SDGsで示された目標はとても大規模なものですが、これを達成するには国や企業だけでなく、一人ひとりが日常から意識して取り組んでいくことが重要です。
その中でも、特に環境問題については個人で行えることが多く、取り組みやすいのではないかと思います。
例えば家庭内での節水や節電と言った省エネ、フードロスの削減、ごみの分別など簡単なことを心がけるだけでも日本中で取り組めば、大きな環境負荷の低減につながることになります。
一人ひとりが行うことはほんの些細なことでも構いません。日々少しずつの積み重ねが日本全体で見たら大きな効果と、意識の変化へとつながっていくはずです。
3.まとめ
いま何かと話題のSDGsの達成に向けた、日本の現状と達成に向けた取り組みを紹介してきました。
世界平均から見たら、高い達成度となっている日本ですがまだまだ改善すべき点はたくさんあります。
ここからさらにSDGsを達成していくためには、国や自治体、企業に任せるだけでなく一人ひとりがSDGsへの意識を持って小さいことからでも取り組んでいかなければなりません。
もし今回の記事でSDGsへ興味を持たれた方は、持続可能な社会の達成のために自分ができることを考えてみてくださいね。