事業成功の為のカギを握るのは『分析と戦略』です。
中でも、効果的な戦略を練る為には『KSF』の抽出が非常に大切と言われています。
今日はその『KSF』について、徹底的に解説していきたいと思います!
KSFとは?
KSFを理解するために、まず言葉の意味を知っておく必要があります。
KSFとは、Key Success Factorの略で、直訳するとKey =重要 Success = 成功 Factor = 要因、『重要成功要因』となります。
つまり、事業やプロジェクトを成功させる為に重要な要因・要素を示します。
KSFは『ファクター(要素)』なので、KGIやKPIなどの『指標』とは異なり定量化(数値化)する必要はありません。
KSFを抽出し、それをもとに経営戦略を定量化したものがKPI、KGIですね。
KFSとCSFとの違いは?
KSFの代わりにKFSやCSFという言葉が用いられる場合もあります。
KFSはKey Factor for Success、CSFはCritical Success Factorの略で、どちらもKSFと同義語として扱われています。
KSFの導き方や見つけ方は?
KSFを導き出すためには経営分析が欠かせません。
市場環境や市場の構造を調査し、自社の事業モデルを考慮しながら成功するパターンを思い浮かべていきます。
『自己PR』をする時に、自己分析をして自らの強みをアピールしますよね。
KSFの抽出はその作業に似ています。
自社の強みや独自性を探し、成功のキーとなるものを洗い出します。
思い付くものをリストアップしたら、競合他社との差別化や市場環境を頭に置きながら、重要な成功要因をピックアップしてKFSとしましょう。
さらに深堀り!KSF抽出に使える分析手法とは?
KSF抽出のための分析手法としては、3C分析やSWOT分析が有用です。
3C分析とは、Customer = 顧客 Competitior= 競合 Company= 自社の3つの視点から分析する手法のことです。
自社の強みを追求しつつ、客観的な視点を持って事業の成功要因を導き出します。
それに対してSWOT分析は自社のStrongth = 強み Weakness = 弱み Opportunity = 機会 Threat = 脅威を分析するフレームワークです。
自社の置かれている状況やこれからすべき事を明確にさせ、達成すべき成功要因を探ることができます。
どちらも自社を内外的に分析する代表的な手法です。
これらのフレームワークを用いて自社分析出来るのはもちろんのこと、競合他社の立場になって分析すれば、競合他社のKSFや KPIを予測することも出来ます。
そこで予測した事を、自社の3C分析に回せば、より深く競合他社との差別化を図る事もできますね!
より効果的な事業戦略を立てるためには、正しいKSF・KPI・KGIの設定が非常に重要となってきます。
他社を出し抜く成長要因を抽出する為には、徹底的なマーケティング分析が欠かせません。
分析手法は先ほどご紹介した3C分析やSWOT分析だけでなく、ベストプラクティス分析やバリューチェーン分析など、多様なフレームワークがあります。
視点を変えて観察する事で見えてくる事もありますよ!
KSF設定による成功の具体例
自社の強みと業界の流れ、顧客のニーズをしっかり分析すれば、成功につながる1本道のKSFが見つかる場合があります。
有名な成功事例をご紹介致しましょう。
『顧客獲得のスピードアップ』をKSFとし、当時斬新だった事業戦略を立てて大成功した『携帯電話の販売会社』です。
スマホが主流になる前の時代、携帯電話の機種は各キャリア毎に決まっていてました。『機種変』なんて言葉があった時代ですね…。
当時は機種変でキャリアを変更する場合、電話番号やメールアドレス全てを変えなくてはいけませんでした。
となると、ユーザーは、「新機種は欲しいものの、高いお金を払ってわざわざ変えるのは面倒…」といった心理に陥り、なかなか機種変をしません。
そうなると市場が膠着しますよね。
そこで、街中の携帯電話の販売代理店が思い立ったのは『0円携帯』というものでした。携帯の機種代金を代理店が負担する事で、『顧客獲得スピードを上げる』事に着目したのです。自社で機種代金を負担するというデメリットを抱えても、新規顧客が増えれば増えるほど、通信料金で補えると考えました。
その事業戦略は大成功し、同業他社もこぞって同じ手法を取るようになりました。冷静な分析と明確なKSFの抽出がいかに重要かわかる事例ですね!
まとめ
自社ビジネスを俯瞰的に分析し、市場の未来を分析・予測し、自社が成長するための道筋を描くのは容易ではありません。
しかし、その手助けとなるのがKSFです。
自社が置かれている状況や目指す先にあるものを知り、着実に事業を成功に導きましょう!