現調時のチェックポイント

現調時のチェックポイント

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現場の間取り図を準備する

 皆さんは現場調査を行うときに何を見ますか?

 

カーペットの専門家として私がどんなところに目を向けているのか、今回はカーペットクリーニングの現調のポイントをお伝えします。

まず、現場の間取り図を準備します。お客様から提供さればいいのですが、なければ自分で簡単な間取りを書きます。

 

概念図で構いません。ここに色々と書き込んでいきます。

基本中の基本はクリーニング対象になっているカーペットの面積です。

どの部屋が何平米あるか。

 

これがわからないと作業にどのくらい時間がかかるかわかりません。

レーザー計測器があるとあっという間に測ってくれます。

 

加えて、何年使用したか、喫煙者がいるか、ハウスクリーニングの場合はペットがいるか、今いなくてもこれまでに飼ったことがあるかなどをチェックします。

 

重要なチェックポイント

 次にカーペットの素材(繊維)や汚れ具合、汚れの種類をチェックします。

 

これは適切な洗剤を準備するうえで必要な情報です。場合によっては残留洗剤がひどいことがあるのでその際は消泡剤を忘れないように。

什器や家具をどうするかも重要です。動かす必要があるか。あるとしたら何を動かすか、誰が、いつ動かすか。

 

作業時間に影響しますね。あと気をつけないといけないアイテムや家も間取り図に記録します。保険に入っているとしても壊したら大変です。

電源の場所や数も確認します。古い建物だとコンセントの数が少ないことがあります。延長ケーブルが必要になるかもしれません。

水場はどこでしょうか。

同じフロアの作業箇所に近いところならば嬉しいですが、離れていることもあるでしょう。

 

そんな場合はバケツを多めに持参すると効率がよくなります。排水の場所はどうでしょうか。

汚水をこぼさないように安全に運べるでしょうか。別のフロアにあると階段での上り下りが大変です。

 

エレベータがあってもこぼさないようにしなければいけませんし、乗っている人がいればその回はパスして次の回にしないといけないので人の数を増やさないといけないかもしれない。

 

と、こういった状況は当然見積りにも影響します。

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実はモノの事実より大事なことが別にある!

 他にチェックしたいポイントとして、水しか出ないか、お湯が出るか。

 

駐車場の位置。作業に入れる時間帯、事前の入館・作業申請は必要か、必要なら誰が申請するか。

 

並行して何か別の作業が入るのかどうか、空調の設定をこちらで調整できるかどうか。

当日鍵を開けるのは誰か、作業終了後に誰が来るのか、入退出管理担当者の電話番号をもらえるかなどがあります。

しかし!

現調で一番確認したいのはこうしたモノの事実を知ることではありません。実は最も大事なのは「お客様が何を望んでいるか」を知ることです。

 

これがわからないと的外れな仕事になってしまいます。

清潔な環境を作りたいと思っているだけならば無駄にシミ取りに汗を流す必要はないかもしれません。

 

逆に気になるシミがあるのにそれを取らずに全体をきれいにまとめることばかりを考えていたら、全体がきれいになったことは感謝されるかもしれませんが、肝心のシミが取れていないので満足度はかなり下がるでしょう。

 

なぜお客様がクリーニングの依頼を考えたのか、その動機を知るようにします。

 

「期待を適正な位置に整える」とは?

 

次に大事なこと。それは「お客様の期待を適正な位置に整える」です。

ここを外すとどんなに良い仕事をしても満足してもらうのは難しいでしょう。

 

逆にそこがきちっと調整されていてそれに合った結果が出れば満足度が上がります。

何か不十分なことがあっても大問題にはならないはずです。

ですから現調時に、クリーニングの結果に過大な期待を抱かないように現実的な話、つまりできることとできないことを正直に伝える必要があるでしょう。

 

ただ、あまりにもできないことばかりを話すと発注する気がなくなるかもしれないのでバランスが大事です。

 

著者

高野毅(たかのつよし)
1969年生まれ横浜出身。外国人向けボランティアや翻訳業などを経てカーペットクリーニングの世界へ。1998年に有限会社カーペットドクター設立。国際基準の清掃技術を学ぶことができるスクールRSA‐Japanに所属するIICRC公認インストラクター

●難しいシミで困っている、相談したい方は こちら

●高野氏が講師を務めるセミナー
【米国IICRC認定】カーペットクリーニングテクニシャン(CCT)コース
日時:6月7日(月)~9日(月)
主催:RSA Japan
お申込みは こちら

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