お客様から「御影石の床を数年前に業者にメンテナンスしてもらったが、修正が可能か」とのご相談をいただきました(下の写真をご覧ください)。
こちらは埼玉県のマンションのエントランス床です。広さは約3㎡程度。
まずは、現地調査を行い、施主様に状況を伺いました。数年前にエントランスの清掃を業者にお願いし、最近になって表面が白っぽくなってきたとのこと。
私も初見では何の素材なのかも判断ができませんでしたが、近くで見て御影石と分かりました。
コーティングを塗布したと言われた記憶は無いとのことでしたが、確実にワックスもしくは樹脂系のコーティング剤が塗られており、時間の経過で白濁してきたものだと判断できました。
「ワックスを石材に塗っている」や「石材用ワックスを塗っても良いか」というご質問や状況をお伺いすることが時々ありますが、石材にとって良いことは一つもありません。
樹脂系コーティング剤も含めてですが、上から蓋をしてしまうので石材の呼吸(湿気の放散と吸収)を止めてしまうリスクが高く、その影響で石材内部に湿気が滞留し、少しずつ色調が濃くなってしまうことや、大理石・御影石の場合は湿気により結晶が脆弱化する恐れがあります。
施工方法の解説
石材へコーティングする際は、呼吸を妨げない石材専用の正しいものを選定することが美観の維持と長期的な保護に繋がります。
施主様に施工方法と目安の作業時間を伝え、後日本施工を行いました。
最初に、既存のワックスを剥離する必要があるため「コーティングリムーバー」を塗布し、ワックスを分解しながら剥離作業を行いました。
かなり厚めに塗ってある箇所は少し時間がかかりましたが、2時間程度で剥離作業が完了しました。
次に、清水によるリンス洗浄とブラッシングを行い、細かな汚れや洗剤成分を除去します。
乾燥させたところ、やはり経年の劣化等で表面が少しくすんでいたので、最後に石の呼吸を妨げないガラスコーティング剤の「マイクロシーラー セラミックガード」を施工し、完成です。
セラミックガードを塗布することでウェットルックになり高級感が増しますし、石材表面にガラス膜が形成されますので、しっかりと傷や汚れから保護することが可能です。
全ての作業の所要時間は4時間程度ですが、コーティング施工後2時間程度は乾燥時間が必要で、歩行ができないので注意が必要です。
著者新井田康介(にいだこうすけ)
株式会社タックアンドカンパニーは、国内初の石材メンテナンス会社として1985年に創業。
特に研磨に関しては、今まで不可能とされてきた黒御影石とセラミックタイルの完全修復を可能とした「マイクロポリッシュ」を開発。大理石フロアーの 再研磨だけでも10万㎡以上の実績があります。
株式会社タックアンドカンパニー HP |