IoTという言葉をご存知でしょうか?
「Internet of Things」の頭文字をとったもので、モノとインターネットを接続するための技術です。
このようなIoTは最先端のセンサー技術などを使っています。
IoTを駆使したスマートビルも都市部を中心に増えています。
ここではビルで用いられることの多いいろいろなセンサーについて解説しましょう。
センサーの現状について紹介
まずはセンサーがビルの中でどのように用いられているかについてみていきましょう。
大型のビルになると数千ものセンサーの取り付けられている場合も珍しくありません。
このセンサーの力によって、いろいろな部屋の使用状況なども直接その場所に行かなくても把握できます。
約1,300個ものセンサーが取り付けられているビルも
今ではビルのいたるところにセンサーが取り付いているでしょう。
一例を紹介すると「東京ポートシティ竹芝」が2020年9月に開業しました。
「都市再生ステップアップ・プロジェクト」というとの行う計画の一つで、国家戦略特別区域計画の特定事業の認定を受けていますし、巨大プロジェクトとして注目を集めました。
この東京ポートシティは地下2階・地上40階の高層ビルです。
そして国内最先端のスマートビルを目標にして建設されました。
その中でも特徴の一つとして、合計で実に1,300個ものセンサーが取り付いている点に注目です。
「建物丸ごとセンシング」を目指して、リアルタイムで様々なデータを取り寄せて、利便性の高さにつなげています。
トイレの空き状況がわかる
このようにセンサーを数多く取り付けて、何を目指しているかですがまずはトイレの空き状況の表示です。
用を足そうと思ってトイレに行ったところ満員で、別のところに移動せざるを得なかったという経験はありませんか?トイレをいろいろと探して、ずっと席を外すことになったといった無駄な時間を浪費する必要がなくなります。
センサーをトイレに取り付けることで、空き状況をリアルタイムで把握できます。
空き状況を掲示板で表示するところもあれば、スマホなどに専用のアプリを入れて端末で確認する方法もあります。
酸素濃度の管理
IoTセンサーをビルに取り付けることで、建物内の酸素濃度に関するデータを取ることもできます。
あらかじめ適正値をインプットして、その範囲を超えた場合、自動的に空調を調整します。
常に快適な環境で業務にあたれますし、必要な時に空調を使用することになるので無駄なエネルギー消費を抑制できます。
コロナ禍とビルのセンサーの関係
2020年から新型コロナウイルスの感染拡大によって、できるだけ人との接触を避ける風潮が高まってきました。
スマートビルにはこのコロナ禍における人々のニーズにこたえられるようなセンサーの設置を進めている建物も少なくありません。
非接触型のエレベーターのスイッチ
従来エレベーターに乗ったら、自分の行きたい階数のボタンを押していました。
しかしボタンは不特定多数の人が触れるので、安易に触れて「ボタンに付着したウイルスが手に移るのでは?」と不安に感じる方も増えています。
そこでスマートビルの中には非接触型のエレベーターを導入するところも出てきています。
行きたい階数のボタンに手を飾るだけで反応できるようになっています。
手の存在をセンサーが感知するような仕組みになっているからです。
また照明のスイッチにこのような非接触型のものを導入しているビルも増えてきています。
こちらもスイッチに直接触れることがないので、感染リスクを軽減でき、中にはセンサーが反応するとサークルが表れて、一周するような仕組みになっているものも出てきました。
一周して初めて照明のオンオフができる仕組みです。一周する前に手を離せば反応しないので、誤操作を招かないような対策を講じたシステムも出てきています。
入館ゲートに顔認証
入館ゲートのところに顔認証システムを導入しているビルも見られます。
あらかじめ従業員として顔情報を登録しておけば、センサーが認証してゲートが開き入場できるわけです。
ビルの管理者とやり取りする必要がありませんし、不審者の侵入を防止できるのでセキュリティも担保できます。
また新型コロナ対策として顔認証だけでなく、検温を実施できるようなセンサーも出てきています。
高熱の出ている人をビルの中に入れないことで、クラスター化するのも防いでくれます。
まとめ
最近のスマートビルと呼ばれる高機能の建物を見てみると、いろいろなところにセンサーを取り付けているものも少なくありません。
このセンサーが感知することで様々な情報をリアルタイムで提供してくれます。
またコロナ禍の現在、できるだけ人と接触したくない、むやみやたらにいろいろなところを触りたくないと考える人も増えています。
非接触でいろいろな操作をするためにもセンサーが必要です。これからはセンサーに対する需要もますます高まってくるでしょう。