効率と安心を両立する新しい清掃の形。
おおとも老人福祉センターにおける『RULO Pro』の功績
地域の高齢者に対して、健康や生活などの各種相談に応じ、またレクリエーションを目的とした教室・講座などを総合的に提供し、社会生活をサポートするのが「老人福祉センター」です。
群馬県前橋市の『おおとも老人福祉センター』では、3か月前から館内の清掃業務にパナソニックの業務用ロボット掃除機『RULO Pro』を活用しています。今回は嘱託事務員の星野さんに導入の経緯や使用後の効果について話を伺いまいた。
導入前の課題と背景
『おおとも老人福祉センター』は、前橋市社会福祉協議会が指定管理者として前橋市より委託を受けて、運営・管理を行っている公共施設。前橋市在住で65歳以上であれば無料で利用できます(65歳未満でも入館料を支払うことで利用可能)。
センターでは、看護師や保健師、健康運動指導士によって、前橋市考案の「ピンシャン!元気体操」や自主クラブ活動、1日教室、生きがい教室などが開催されています。
「センター館内は土足厳禁で、靴下利用をお願いしております。高齢の方が多く利用する施設のため、落ちているものを踏んで転倒したり、チリやほこりを吸い込むことで健康を害することがないよう、しっかりと床清掃を行う必要があります」
老人福祉センターにおける床清掃の重要性をこのように語る嘱託職員の星野さん。『RULO Pro』導入前は職員数人がかりで毎日タイルカーペットの床の掃除機掛けを行っていたといいます。
しかし、清掃を担当する臨時職員の退職に伴う、職員不足が課題となっていました。
「募集をかけてもなかなか人が集まらず、職員の高齢化による体力の限界を感じていました。とくに掃除機掛けは低い姿勢で広い面積をかけなければならない重労働で、腰への負担は切実な問題でした」
なぜ『RULO Pro』が選ばれたのか
当初、家庭用の小型ロボット掃除機のリース契約を検討していた星野さんですが、支払いにはクレジットカードが必要でした。
おおとも老人福祉センターでは請求書払いしか対応できなかったため、支払い方法からロボット選びをやり直すことに。その後、出会ったのがパナソニックの業務用の小型ロボット掃除機である『RULO Biz』でした。
オンラインで行われたヒヤリングの際、想定される館内の清掃範囲が広く、また高い集塵能力を求めるなら小型の『RULO Biz』よりも、サイズの大きい『RULO Pro』が効率的という提案を受け『RULO Pro』のデモを行うことに。
「掃除機掛けを行ったあとにデモの試走を行いましたが、サイドブラシが壁際まで届き、ゴミがたくさん取れたことに驚きました。大きなゴミはダストボックスに入るので、落とし物を誤って吸い込んだときにすぐに回収できるのもいいなと感じました」
しっかり清掃ができるというのが第一ですが、故障時の手厚いサポート、サブスクリプションであるため消耗品に追加料金がかからないといった点も選考に大きく影響したと星野さんは語ります。当初5つ挙げた候補の中からすべてのニーズを満たし、最終的に選ばれたのが『RULO Pro』でした。
導入までのスケジュールと準備
おおとも老人福祉センターは公共施設であるため、『RULO Pro』導入のためには前橋市から承諾を得る必要がありました。
デモ試走の報告書を提出したほか、人件費は今後だんだん上がっていき、その募集費も人手不足で上がっていくことが予想されるのに対して、サブスクの『RULO Pro』であれば金額は据え置きになる点。また、ロボットは館内の汚れ具合を見て追加で作業できることや、夜間ずっと働かせても文句ひとつ言わない点をアピール。
報告書提出の1か月後には導入実施伺いの決裁が下りました。
必要なものとして導入した清掃ロボットではありますが、各職員とも少なからず抵抗感はあったと星野さんは言います。
「パナソニックの営業の方からレクチャーの後、マニュアルをいただいたのですが、かなりしっかりとした内容で読み込んで理解する必要がありました。マニュアルの情報量が多いことを伝えると、簡略化したマニュアルの用意だけでなく、A4用紙1枚に収まるものをわざわざ作り直していただけました」
そこからさらに星野さんはオンオフにかかわるものだけ手書きしたものをレバーにかけるなどして定着を図ったといいます。特にマニュアルにある「ボタンを押す」という説明に対して、何秒押すといった細かい説明を加えることでロボットの操作に対する不安感を緩和していきました。
「マッピングについては自分でもできるとの説明でしたが、難しそうだったのですべてお任せしました。作っていただいたセンターの2Fマップは29個の四角で形成されており、隅々まで清掃してくれるのだなと感心したことをよく覚えています」
『RULO Pro』のフロアマップは四角形の清掃エリアがいくつも組み合わさることで構成されています。小さい四角でより細かい清掃範囲を指定したり、重点的に清掃するエリアを指定したり、逆に曜日によって特定のエリアを清掃から除外するといったことを、新たに1からマップを作らずとも、設定することが可能になっています。
実際にどのように使っているか
おおとも老人福祉センターは2階建てで、現在『RULO Pro』は2階の床掃除に使用されています。15時になると各施設の利用が終了となり、ほとんどの利用者は退館しているので、そこから作業開始。
2階の第3クラブ室(図書室)が『RULO Pro』の保管場所になっており、臨時職員の一人が走行を邪魔しないように物をどかし、ドアを開けます。
その後、バッテリーを充電器から外して本体へセット。スタートボタンを押して第3クラブ室から問題なく出たことを確認し、作業が完了するまで、トイレ、洗面台の下、ビリヤード台の下といった『RULO Pro』では行うことのできない別の場所の清掃を行います。
紙パックの交換頻度は月1回程度、保管場所である第3クラブ室で行います。導入当時は保管場所とは別に設定していたスタート位置まで『RULO Pro』を運ぶ必要がありましたが、保管場所である第3クラブ室をスタート位置にしたことで、スタートボタンを押せば即作業開始となり、移動させる手間がなくなりました。
スタート位置とゴール位置が同一になる運用をしているため、約1時間後、2階の掃除を終えた『RULO Pro』がスタート位置に戻っていることを確認し、バッテリーを本体から外して充電器にセットするまでが一連の流れとなっています。
導入後のメリットと今後について
導入前は2Fフロアを臨時職員6人で作業分担し、それぞれが1時間程度清掃を行っていましたが、『RULO Pro』導入後は5人で行うことに。
作業時間自体は1時間程度と変わっていませんが、屈んだ姿勢で行う掃除機掛けの面積が大幅に減ったことで足腰への負担が軽減され、身体の不調について相談する職員も少なくなりました。
また、以前までの職員体制は計17名、現在は2名退職して計15名となりましたが、以前と同等にセンター運営を行えているのだとか。
「これまでも館内の清掃には力を入れてきましたが、ロボットに置き換えたことで何か変わったという声は利用者から出ていないので、清掃品質を保てていると感じています。
一度、画びょうを回収してくれたことがあります。確認したところ、気づかないうちに展示物の画びょうが落ちていたのですが、すばやく吸い上げてくれたおかげでケガ人を出さずに済みました。この一件以来、展示物はテープで止めることにしています。
ロボット掃除機の導入ですごく助かっています。皆、『ルーロくん』と呼んで可愛がっています」
想定どおりの導入効果を得られ、満足げな笑顔の星野さん。
今後、床面の清掃に関しては『RULO Pro』に任せ、臨時職員による清掃はロボット掃除機ではできない範囲のみと、仕事を区分けしたていきたいと考えており、市との協議を経て、さらなる改善と効率化を進めていくそう。
『RULO Pro』は新しい時代の福祉サービスを切り開く役割を担っているのです。
■導入現場紹介
前橋市 おおとも老人福祉センター
前橋市に住む高齢者のみならず多くの方が日々利用するための福祉施設。高齢者が安心して過ごせる環境ととともに様々なサービスやアクティビティを提供しています。アクセスには巡回バスの利用が便利。65歳以上は無料で利用できるほか、4歳以上であれば(利用料100円~)誰でも利用することができます。
・住所 〒371-0847 群馬県前橋市大友町1丁目12-10
・URL https://www.mae-shakyo.or.jp/kourei/rousen/ootomo.html
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