速報!『ビルメンヒューメンフェア&クリーンEXPO2024』清掃ロボット最前線

速報!『ビルメンヒューメンフェア&クリーンEXPO2024』清掃ロボット最前線

公益社団法人全国ビルメンテナンス協会と一般社団法人日本能率協会が共催する、国内最大規模のビルメンテナンス分野に特化した専門展示会「ビルメンヒューマンフェア&クリーンEXPO2024」が11月20日(水)より、東京ビッグサイト東展示棟にて開催されています。

「今知っておくべき業界の最先端が集まる場」をキャッチコピーに46セッション・60名以上が講演が行なわれれるほか、130以上企業及び団体が出展。未来のビルメンテナンス業務を見据えた商材やサービスが一堂に会します。

とくに業界の深刻な人手不足を背景に、昨年以上に清掃ロボットの展示が増加。会場入り口から続くメインストリートはほぼロボットメーカーで占められていました。

これだけロボットが多いと、どのブースを見て回ったらいいかわかりません。そこで、新たな試みとしてロボットツアーが実施されることとなり、弊社代表の稲垣太一がビルオーナー、管理会社、設計会社、建設会社等、ご発注者様を対象にしたロボットツアーのアテンドを担当。

各社の展示担当者からのロボットの説明やデモンストレーションを交えつつ、これまでの弊社が1300台以上ロボット導入を行ってきた知見でロボットの選び方や見極め方といったガイドを実施。初回から18名が参加し、大変盛況となりました。

本記事では、数多く展示された清掃ロボットにスポットを当て、新たにどんなロボットが登場したのか、既存モデルはどんなバージョンアップを果たしたのかなど、ロボットメーカーならびに代理店各ブースの様子をお届けします。

アイウイズロボティクス【3-J12】

中国製のロボットを日本市場向けにローカライズし、販売を行うアイウイズロボティクス。

昨年ファミリーマートに導入された『J30』(左の写真の左側)が話題となったが、今回の展示会で主力として提案するのは中型のスクラバーロボット『J35』(左の写真の右側)。スクイジーが本体に内蔵されており、後部に飛び出たスクイジーが什器を引っ掛けて転倒させるなどのリスクがない。上部に商品陳列棚やAIカメラを搭載可能で、多様なニーズに合わせたカスタマイズも請け負うという。

また、業務用の小型ロボットとして『Dreame bot L10s』(右の写真の左側)がラインナップに加わる。これらはすべてアイウイズロボティクスが提供する管理画面で一元管理が可能、遠隔監視の他、瞬時にレポートの作成が可能となっている。

同社はこれからも日本市場に合わせたロボットをラインナップしていく予定であり、トイレ清掃ロボット(右の写真の右側)も参考出品されていた。

i-team japan【3-A14】

床洗浄を効率化する『i-mop』だが、その『i-mop』を使った洗浄作業すら効率化するのが『i-walk』だ。

『i-mopXL』のオプションパーツであり、ドッキングすることでロボット化させることができる。

作業範囲の外周を指定することで後は自動清掃を行ってくれる「オートフィルモード」。オートフィルモードで作ったマップをQRコードに記録・呼び出しができる「マッピングモード」。作業者の動作を再現する「ティーチ&リピートモード」と3つのモードが用意されている。

取り外しも簡単で、汚れ残りなど気になる点があれば人の手でさっと仕上げることも可能。

『i-mop』の高い洗浄力はご存じの通り。『i-mop』1台を人で、もう1台を『i-walk』に任せることで作業時間を半減させたり、同じ時間でも作業面積を倍化させるといったことができる。

アイリスオーヤマ【3-C18】

昨年発表のあった、取り外し式の給水タンクとバッテリーを備える自社開発の中型床洗浄ロボット『ブロイト』がいよいよ12月に発売となる。

これでラインナップはこれまでの主力であった乾式の『Whiz-i』、乾湿両方の作業ができるやや小ぶりな『Phantas』、広い面積の床洗浄を得意とする『Scrubbetr 50 Pro』の4機種に。

アイリスオーヤマの強みはラインナップの豊富さだけでなく、「ロボット清掃サポートサービス」では補助金を使った導入やコスト削減の支援も行う。

アマノ【3-S18】

高い洗浄能力を誇るアマノの自洗機をそのままロボット化した国産の『ハピボット』。AI搭載で人とモノを正確に判断して自律走行を行うことが可能になっている。

直観的な操作ができるなど扱いが非常に簡単で、手厚いサポート体制もあり導入後の稼働率は驚異の97.9%。

システムのバージョンアップを定期的に行っているのはもちろん、本体側も従来の鉛バッテリーからリチウムイオンバッテリーに変更され、精製水の補充が必要なくなっただけでなく、充電時間が大幅(10時間から4時間)に短縮されている。

また、中小企業省力化補助金の対象製品に選ばれており、条件が合えば安価で購入することができる。

ウルトラケアジャパン【3-Y18】

ユニット交換なしでハードフロア、カーペットと異なる床材が混在する現場を作業可能な『ONE S55 ベイビータートル』はワックスメーカーとして深い知見を持つベストハウスが開発初期から関わっている中国製の清掃ロボットだ。

「掃く」「吸う」「洗う」「拭く」と4つ機能を搭載しているだけでなく、これらを1パスで行えるのが最大の特徴。除塵を行ったら一旦スタート位置に戻り、洗浄を行うというのが一般的であり、現状1パスで作業が行えるのは『ONE S55 ベイビータートル』だけ。

コンパクトに見えて洗浄幅520mm(約20インチ)あり、効率的な清掃が可能。1パスですべてが行えるということは当然作業時間も短く、ユニット交換の時間まで考えれば約2倍のスピードで仕上げることができる。

扱いも容易で、スマホ使える方であれば10~15分程度のレクチャーで使いこなすことができるほど。ブラシまわりはマグネット式で分解するのに力を必要としないためメンテナンス性も高い。

エムエムインターナショナル【3-P12】

パチンコ店のイスの下を清掃できる業務用ロボットが欲しかったというエムエムインターナショナルが本気でコスト削減に向き合い開発したのが『JINNY20』。

日々15分以上床掃除に時間をかけているなら最大85%の削減が可能という小型ロボットだ。

見た目こそ小さいが高性能AI搭載でスペックは中型に近く、充電ドックだけでなく、バッテリーの差し替えも可能。除塵だけでなく水拭きもこなす。

ホテル清掃に最適とのことだが、中型の『JINNY40』との組み合わせることで大規模施設全体をカバーすることもできる。

オカムラ/江口【3-L03】

業務用の掃除機を載せて自動で搬送を行うオカムラの『ストライバー』は各地でエレベーター連携に関する実証実験を繰り返し行っており、今回のブースでは複数台のロボットのエレベーター連携がテーマになっている。

エレベーター待ちをしているロボットは待機ゾーンで待ち、エレベーターに乗ってきたロボットが優先ゾーンから出た後にスムーズに乗り込む様子が実演されていた。

『ストライバー』はマップ機能が強化されおり、従来は大きな空間を小分けにマッピングしていたが、それらを統合することが可能に。複数の清掃エリアを選択する手間がなくなった。

また、β版ではあるが、専用部を清掃する小型ロボットと共用部を清掃する『ストライバー』を統合して操作可能なシステムの提案も行っている。

KEENON Robotics【3-Y14】

搬送ロボットで定評のある中国のメーカー「KEENON Robotics」では3台のロボットを展示。

6時間稼働、1時間あたりの作業面積は40㎡と広いスペースの日常清掃に最適な『KLEENBOT C25』(左)は4in1(掃き、吸い込み、拭き、モップ掛け)の多彩な洗浄モードを備えたロボット。

『KLEENBOT C25』をそのままコンパクトにしたのが『KLEENBOT C20』(右)。高さ36cmでイスの下や省スペースの清掃に適する。

水を使った作業まで必要ないのであれば除塵に特化した 『C30』がおすすめだ。

くうかん【3-J18】

小型から大型まで本展示会随一のラインナップ数を誇る「iXBOT(イクスボット)」ブランドを展開するくうかん。

単なる販売にとどまらず、「ロボオペ塾」を開講してロボット技術者を育成するなど、購入後の稼働率を上げる取り組みを行っている。

注目はニューモデルの『SVD42-w』(左)。乾湿両方の作業が可能な中型ロボットで3Dセンサーを搭載。天井の形状まで読み取ることができ、自己位置を見失わないので抜群の作業完了率を誇る。

同じくニューモデルで小型の『C3-cv』はコンパクトサイズゆえに人がいる中での作業だと視認性が低いため、上に載せることができるオプションのサイネージ(右)が参考出品されていた。

ケルヒャー ジャパン【3-E12】

10月に発売されたばかりのコンパクトなロボットバキュームクリーナー『KIRA CV 50』(左)には、これまでケルヒャーが培ってきた掃除機開発の技術が使われており、業務用としての非常に高い除塵能力を有している。一方でスマホアプリによる直観的な操作が可能。

効果範囲が20mを超える業務用のライダーセンサーを搭載しており、瞬時にマッピングが行えるほか、迷子になることもない。

充電ドックではなく、抜き差しできる交換型のバッテリータイプで、リチウムイオンバッテリーを2本差すことで1000平米以上の作業を行うことができる。

また、伸縮可能な運搬用のハンドルが付いており、台車がなくても楽に移動ができるようになっている。

昨年登場した、多彩なセンサーを搭載する床洗浄ロボットの『KIRA B 50』(右)はソフトウェアアップデートで通行可能幅が1mから90cmに狭まったほか、Uターンに必要な距離が短くなるなど細かい場所の清掃が可能になった。

コーワ【3-M23】

KEENON Robotics製清掃ロボットのコーワオリジナル仕様を販売。

工業用ブラシのトップメーカーであるコーワが『C30』(左上)のために開発したブラシは毛がV字に並んでおり、ロボットの吸引口がある中央部にゴミが集まるようになっている(右)。

また、後部に取り付け可能なモップは従来型だとT字だが開発中のコーワ製は本体形状にマッチしたもので素材をマイクロファイバーにするなど、日本の現場・床材に合わせた改良が加えられている。

ウェット作業が可能な中型ロボット『KLEENBOT C25』とコンパクトな『KLEENBOT C20』のコーワオリジナル仕様は来年春からの取り扱いを予定している(左下)。

蔵王産業【3-C15】

業務用の清掃機械を多く取り扱う蔵王産業が清掃能力、耐久性、時間当たりの作業面積、回避能力に太鼓判を押すLIONSBOT『R3 SCRUB PRO』と『R3 Vac』はロボット先進国であるシンガポール製。

マップを登録させた「マジックタグ」を読み込ませることで誰でも簡単に作業を開始できる点や、豊富なブラシ類のラインナップ、工具不要で容易なメンテナンス性に吸引時の高い音が出ない静穏性など、蔵王産業のこだわりに応える作りになっている。

2機種ともバージョンアップによりアルゴリズムが変更。スタート位置や障害物を把握して、その日の理想的なルートをAIが作成。以前は3cm以下の障害物は検知できなかったが、1.5~2cmのものも検知し回避ができるようになった。

新たなオプションパーツとして200m先まで検知できる「3Dライダーセンサー」も登場する。

C&Jグループ【3-J07】

『AURORA PRO』(手前)は本展示会が初お披露目。中型ロボットで「掃き」「吸引」「拭き」「床洗浄」とさまざまな清掃業務を行うことができる。

上部に大型のサイネージを有しており、広告配信しながら同時に清掃が可能。

C&Jグループではロボットの販売だけでなく、このサイネージを使った追加機能(案内や警備)の開発も請け負う。

すでにホテルなどで販売実績のある『UFO CLEANER』(中央)は小型だが『AURORA PRO』同様1台4役をこなす。

いずれも中国製で、自動給水など完全自動メンテナンスが行える高機能なワークステーションを備えている。

三和【3-C10】

昨年参考出品だった『取っ手付きPhantas』の正式販売がスタート。

通常モデルと取っ手付きモデルのいずれかを選択できるきるようになった(別モデルであり、取っ手の後付けは不可)。

取っ手によって運搬がしやすくなるほか、手元に操作スイッチがあるので主導の小型自洗機として使用することもできる。

また、上部の天板に指紋が付きにくくなるなど細部が改良されている。

テラモト【3-P18】

テラモトブースでは今回初お披露目となる自動運搬ロボットを展示。自律走行を行うAMRタイプの運搬ロボットに取り出しやすいサイドオープンの回収ボックスが取り付けられている。

重たいゴミの運搬、ホテルや病院で発生するリネンの運搬、こういった大変な運搬作業をロボットによって自動化することで、作業者の負担軽減や作業時間を短縮するというのがテラモトの狙いだ。

回収ボックスはお客様の要望に応じたカスタマイズが可能。ゴミ箱のセンサー『TERAS BOX』と自動運搬ロボットを掛け合わせた効率化の提案も行っていく。

テルウェル西日本【3-P07】

ビルクリーニング競技会2大会連続1位のビルメンテナンス会社「テルウェル東日本」が提案するのがクラウド型オフィスロボット清掃サービス「ロボ★メン」。

クラウドを利用し、ロボットの遠隔操作やスケジュール管理ができるほか、異種ロボット間での連携が可能となっており、警備・設備点検ロボットである『ugo』がマッピングデータを収集、それを清掃ロボットの『RULO Biz』に反映させたり、『ugo』が見つけたゴミを『RULO Biz』が回収することが可能。

『RULO Biz』は専用部の清掃を担当するが、新たに共用部の清掃を行う中型のスクラバーロボット『DEEBOT M1』(左)とやや小ぶりなロボット掃除機『DEEBOT K1 VAC』(右)をブースに展示。

家庭用清掃ロボット世界シェア2位であるエコバックス社製の業務用ロボットで日本初上陸。現時点ではテルウェル西日本のみの取り扱いとなっている。

パナソニック【3-S12】

「ヒューマンフェア&クリーンEXPO」へのブース出展が数年ぶりとなるパナソニック。同社製の業務用ロボット掃除機の認知拡大を目的に出展している。

広い場所を得意とする中型の『RULO Pro』(右)と、障害物の多い狭所空間を得意とする小型の『RULO Biz』をラインナップ(左)。いずれも国産ならではの、掃除機としての基本性能の高さも魅力の一つとなっている。

『RULO Pro』は高機能な長距離レーダーセンサーを搭載。カタログスペック上は片側25mとなっているが、実際には50~70mある体育館やテニスコート、大規模オフィスビルのエントランスなどで自己位置を失うことなく稼働ができている。

『RULO Biz』は9月に大型アップデートを行っており、よりスムーズな動作が可能に。これまで苦手としていた同じレイアウトが繰り返されるような場所を克服し、作業完了率が大幅に上がっている。また、従来は専用機が必要だったマップ作成がスマーフォンアプリで行えるようになった。

Pudu Robotics Japan【3-V18】

『PUDU MT1』はAI搭載で、ゴミを認識して回収するロボット(左)。

工場や大規模な会場向けに設計されており、最大100,000㎡をカバー。デュアルディスクブラシと吸引でペットボトルや木片といった大きなゴミから細かいホコリまで残さず吸い上げる。

35Lのダストボックスにはキャスターと
伸縮式の取っ手が付いており、ゴミ捨ても楽々。

また、金属加工工場にも対応するようオプションでHEPAフィルターも用意されている。

乾湿両方の作業が行える中型ロボット『CC1』に変更はないが、自動洗浄ブラシや移動式の給水タンクなどオプションパーツが充実する(右)。

 

高い性能を持つロボットもマッピングの精度が低ければ十分な能力を発揮することはできません。同じロボットを複数の会社が取り扱うのも珍しくなくなってきましたが、どこから買うかが今後ますます重要になると言えます。

「ビルメンヒューマンフェア&クリーンEXPO2024」は11月22日(金)の17時まで開催しています。各ブースに足を運んで実機やその挙動をぜひご自身の目でお確かめください。

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