正規、非正規に関わらず退職するスタッフが後を絶ちません。辞めていく理由もよくわからず、人事だからなのか皆に避けられているように感じます。新規採用も思うように進みません。上司には「君が甘いからだ!」と叱責され、困っています。
ご相談者/Fさん(38) 人事担当の課長
人事担当者の「孤独」は時々耳にします。Fさんの中で公私の区別はついていますか。
休憩中の仲間同士でのたわいもない話にまでも聞き耳を立てられていると感じると、誰でも距離を置こうと思いますよ。
退職者が多いことは人事だけの責任ではありませんし、窓口であるFさんだけが負うべき問題でもありません。
良い人材を集め、永く働いてもらうには高い給料が一番かもしれません。
ですが、働くというのはお金のためだけではないものです。
自分の価値を認めてくれる人間関係や、自分の居場所を確保できる職場が大切なのです。
辞めていく人の多くは、そのどちらも見いだせなかったのではないでしょうか。
人間関係がうまくいかない理由は、①職場に問題(人間関係や職場環境)がある場合と②その人自身に問題(健康、家族、借金など)がある場合があります。
①職場に問題がある場合
●人間関係の改善
・配置転換をしてみる。ひと同士、相性はあります。冷静に判断します。
・まずは上司から声をかける。出来そうで出来ないことです。
朝の挨拶を変えて関係がよくなったと言う話は多々聞きます。
・顧客の声のフィードバックも大切です。
あるスタッフさんは現場での「綺麗になったね」という顧客からの反応がやりがいだと教えてくれました。
●職場環境の改善
・物の配置を変えて動きやすい動線にする。
・何年も張ったまま放置の注意書きを変える。
・鏡のほこりを払う。
など、身近なものへの目配りが鍵です。
②その人自身に問題がある場合
個人の問題にどこまで介入するか、それも企業の姿勢によります。解決のために相談できる窓口の紹介などは最低限、するべきです。
新規採用は例えば告知を出すメディアを変更し、今まで目が向いていない方面へのアプローチを進言することが考えられます。
上司に相談し、Fさんの部下にも助言を求めるなど一人で抱え込まない仕事の進め方を実践してください。
あなたのお悩みに凝縮された、御社の課題です。
著者
川崎美紀(かわさきみき)
研修講師 オフィス リバー
国際線CAとして活躍後JALアカデミーのインストラクターに転職。同時に個人事務所を立ち上げ、全国各地でマナー研修や講演を行う。2012年独立。CDA(キャリア・ディベロップメント・アドバイザー)、キャリアコンサルタント資格を取得し、キャリアカウンセリングにも従事している。著書に『川崎美紀のSMILE通信 きょうもおもてなし日和』(クリーンシステム科学研究所 発行)がある
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