ご相談者/Bさん(48歳)ビルメン会社の管理職
皆さんは「部下」をどのように呼んでいますか?
呼び方には「呼び捨て」「君付け」「さん付け」「役職名」「ニックネーム(あだ名)」などが候補に挙がります。
余談ですが、学校では既にニックネーム(あだ名)禁止です。
これは、いじめの一因となる可能性があるため、対策したと聞きました。
働き方改革が進められハラスメントに対して、今は大変意識が高い時代になりました。
意識が高いのみならず、言ったことやしたことが簡単に記録され、それらを発信する手段が多様化し、身近になったこともハラスメントが滲み出る要因の一つと考えられます。
「昔は許されていた」「誰も目くじら立てなかったのに」は、もはや通用しない時代です。
その意識のなさや無自覚さが相手や周囲に苦痛を与え、害を撒き散らしているとしたら、すぐに取り除く必要があります。
そして、ハラスメントの入口は「呼び方」かもしれません。
若い人に対して、また部下に対して、無意識に「ちゃん付け」や「子」と言っていませんか?
一般的には「さん」か「君」が無難、「役職名」はやや旧態依然な印象です。「呼び捨て」はグレーゾーンからアウト寄り、「ちゃん」や「その子」「この子」はアウトです。
パワハラとは、職場の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与えることまたは職場環境を害すること、です。
春は新入社員研修がありました。新入社員の教育担当者や役職者から見れば自身の子供やそれよりもっと若い人たちですから、気持ちはわからないではないですが、仕事の場です。かわいいと思う気持ち、まだまだ半人前と思う気持ち、あるいは愛情を込めて呼んだつもりかもしれませんが、聞いていてちょっと「モヤモヤ」しました。
客観的に見て、その人の存在価値を値引くような呼び方で呼ぶと、パワハラに該当すると考えてください。
呼ばれた当人はNOと言えないですし、例え本人が良くてもまわりがNGという場合もあります。
無意識に「ちゃん付け」していないか、まわりを不快にさせていないか、要確認です。
著者
川崎美紀(かわさきみき)
研修講師 オフィス リバー
国際線CAとして活躍後JALアカデミーのインストラクターに転職。同時に個人事務所を立ち上げ、全国各地でマナー研修や講演を行う。2012年独立。CDA(キャリア・ディベロップメント・アドバイザー)、キャリアコンサルタント資格を取得し、キャリアカウンセリングにも従事している。著書に『川崎美紀のSMILE通信 きょうもおもてなし日和』(クリーンシステム科学研究所 発行)がある
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