正しく希釈する
油汚れを落とすのにとても便利な洗剤。でも使い方を間違えるとかえって問題を引き起こすことがあります(便利なものって必ずそういう負の側面がありますね)。
ではどんなところに気をつけたらいいのでしょうか?
洗剤のボトルには必ず希釈率が書かれています。
きちんとそれに従いましょう。
メーカーはその希釈で想定した洗剤の強さが発揮されるように設計しています。
液体を希釈する場合にはちゃんと計量カップを使いましょう。
バケツを使って洗剤液を作りますか? 毎回希釈率が違う洗剤液を使うと、極端な場合クリーニング結果にムラができてしまいます。
「〇〇を混ぜないで」という指示が大きく書かれていることもあります。
これは有毒ガスの発生を念頭に指示されていることがほとんどですから安全のためにもラベルの指示通りに使用しましょう。
使い過ぎない
「過ぎたるは及ばざるが如し」です。汚染物質が多ければそれに応じて洗剤の分量も増やす必要がありますが、それほどでもないのに大量に使うと回収が難しくなります。
最初は少なめに使い、足りなければ足していくことができます。でも入れ過ぎてしまったものを取り返すのはなかなか難しいのです。
洗剤はタダではありません。無駄に使えばそれだけお金を水に流してしまうようなものです。もったいないですね。
洗剤を残さない
これが最も重要なポイントでしょう。
カーペットに使われた洗剤がもしきちんと回収されずにそこに残っていたらどうなるのでしょうか?
具体的には黒い汚れが人の歩行動線に沿って発生します。しかも急速に、です。どういうことでしょうか?
洗剤に含まれる界面活性剤は液体中のみで効果を発揮するわけではありません。
実は、洗剤が乾いた後も油汚れを求めています。
カーペットに残った界面活性剤は乾いてしまっても油汚れを引き込もうとじーっと待ち続けています。
そしていよいよ油汚れのついた靴がやってくるとすかさず汚れを自分に引き寄せます。
このプロセスは人が歩くたびに発生します。つまり油汚れがカーペットの中にどんどん取り込まれていく形になります。
その結果、歩行動線に沿って黒い汚れが急速に発生するわけです。
残された洗剤(残留洗剤と言います)は汚れの原因のなってしまうということです。
残留洗剤があるカーペット。クリーニングをしていないカーペットよりも汚れやすいカーペットに我々がしてしまった、とも言えるでしょう。
きれいにするはずのクリーニング屋さんが、汚れやすい状態にしてお客様に出来上がったものを引き渡す……ありえないですよね。でも意外とこういうことは起きています。
最近お客さんから、カーペットが以前に比べてすぐ汚れるようになってきた、という話を聞いたことはありませんか?
あるいは最近クリーニングしても以前ほどきれいにならないな、などと自分自身で感じていませんか?
では残留洗剤を疑ってみましょう。
その確認方法ですが水、できればお湯をその問題箇所にこぼしてみてください。
泡立ちますか?もしそうなら洗剤分がカーペットにあるということです。
残された洗剤は汚れの原因となります。
洗剤をカーペットに残していないか、自分の作業精度を今一度確認してみましょう。