ご相談者/Aさん(37歳)
「そんなに遠くないだろう」━━ 確かにそうです。
黒電話が主流だった頃の通信状況は必ずしも良いものではありませんでした。別の人が話す声が混ざってしまう混線があったり、相手の声がまるで水中にいるように聞こえづらかったりと、現在ではありえないようなこともありました。
そんな時は「もしもし、もしもし」と言って聞こえるかどうか確認しました。もしもしはご存知の通り「申し申し(もうしもうし)」(話しますよ)から転じた呼びかけです。
現在では呼びかけとして使うことに抵抗を感じる人も多くなり、本当に聞こえない時にいうのが良いと思います。「もしもし、聞こえますか? すみません、出先でして少しにぎやかで申し訳ありません」などが使用例です。
取り次がれたときの第一声の「もしもし」に代わる言葉としては、「はい」や「お待たせいたしました」を勧めます。「お電話変わりました、Aです」も候補に入りますが、流れから考えると、「お待たせ」です。
管理職は直接受けるよりも取り次がれる機会の方が圧倒的に多い。今こそ、「取り次がれ方」を改めるチャンスです。取り次がれ方は誰も教えてくれません。
●電話に出た部下:「失礼いたしますAさん、X社のY様からお電話です。2番です」
回線が複数本ある時は、回線の番号を言ったり保留中の回線が点滅していたりしています。
●Aさん:「ありがとう」や「はい、2番ね」と部下にお礼を言ってから「お待たせいたしました、Aです。Y様、いつもお世話になっております」と出る。
「もしもし」や「どうもどうも」と出る様子は古臭いと感じている部下も、このくらいスマートに素敵に出てくれると誇らしいと思えます。
著者
川崎美紀(かわさきみき)
研修講師 オフィス リバー
国際線CAとして活躍後JALアカデミーのインストラクターに転職。同時に個人事務所を立ち上げ、全国各地でマナー研修や講演を行う。2012年独立。CDA(キャリア・ディベロップメント・アドバイザー)、キャリアコンサルタント資格を取得し、キャリアカウンセリングにも従事している。著書に『川崎美紀のSMILE通信 きょうもおもてなし日和』(クリーンシステム科学研究所 発行)がある
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