『2023』いつまで値上げが続く→小麦価格が高騰の原因

『2023』いつまで値上げが続く→小麦価格が高騰の原因

今回は、4月より小麦の価格が高騰することについて、紹介いたします。

この問題は、おそらく多くの方がご存知のように、ウクライナ戦争が大きく関係しています。

 

なぜならウクライナは世界の小麦の生産量が7位にランクインしています。

 

順位 国名 生産量(1,000トン)(2019年)
1 中華人民共和国(中国) 133,596
2 インド 103,596
3 ロシア 74,453
4 アメリカ合衆国(米国) 52,258
5 フランス 40,605
6 カナダ 32,348
7 ウクライナ 28,370
8 パキスタン 24,349
9 ドイツ 23,063
10 アルゼンチン 19,460
日本 1,037

出典:キッズ外務省HP

米国農務省(USDA)が3月9日に公表した世界農業需給予測(WASDE)によると、2020/21年度の世界全体の穀物輸出量のうち、ロシア産とウクライナ産を合わせると、小麦が約3割、トウモロコシが約2割を占めている。

出典:農畜産業振興機構HP

ウクライナで2023年春に収穫される小麦や大麦の量は前年に比べ、大幅に減る見通しだ。ロシアの侵攻で各地の農場が危険にさらされているうえ、人手不足や燃料価格の高騰で種まきが遅れている。収穫量が前年春の3~5割にとどまるとの見通しもある。侵攻前、世界の小麦輸出量の1割を占めていたウクライナ産の生産の落ち込みが続けば、食料価格は高止まりしそうだ。

出典:日本経済新聞HP

元々世界の1割ぐらいを生産していたウクライナが2022年から2023年に収穫できる量が3〜5割へるということは、全体の3〜5%が減少するということになります。

 

すごく単純計算だと、小麦を食べていた人の3〜5%は食べることができなくなるということになります。

 

また、世界では人口が増加していることもあり、日本がただ高騰して困っているという簡単な問題だけではなくなっています。

 

小麦高騰の世界と日本の問題

 

海外における小麦価格の高騰は、いくつかの重要な問題が複合的に絡み合って引き起こされています。

 

地政学的な対立

地政学的紛争:ロシア・ウクライナ紛争に見られるように、地政学的緊張は世界の小麦市場を混乱させ、サプライチェーンの途絶と価格の不確実性につながることがあります。

 

他の地域での戦争や政情不安も同様に、小麦の生産と貿易に影響を与える可能性があります。

 

気候変動と異常気象

気候変動は、干ばつ、洪水、熱波などの異常気象の頻度や深刻化をもたらし、小麦の生産に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

その結果、小麦の収量が減少したり、価格変動が激しくなり、価格が高騰する可能性があります。

(温暖化によって引き起こされることもあります)

 

世界的な需要の増加

発展途上国における人口増加や所得の向上により、小麦をはじめとする主食への需要が高まっています。

このような需要の高まりは、小麦価格の上昇圧力となる可能性があります。

 

エネルギーや肥料のコスト上昇

提供記事にもあるように、エネルギーと肥料の価格高騰は、食料安全保障に大きな影響を及ぼします。

 

エネルギー価格の上昇は、肥料の生産コストの上昇につながり、その結果、農家は肥料の使用量を減らし、作物の収量低下と小麦価格の上昇を招く可能性があります。

 

農業政策と貿易制限

政府の政策や貿易制限も小麦の価格に影響を与える可能性があります。

例えば、輸出禁止や輸出割当により、世界市場での小麦の入手が制限され、価格が上昇することがあります。

 

同様に、バイオ燃料の生産を奨励する政策により、農業資源が食糧生産から流出し、小麦の価格上昇につながる可能性も出てきます。

 

為替変動

為替レートの変動は、小麦の輸出入コストに影響を与える可能性があります。小麦輸入国の通貨が安くなると、輸入小麦の価格が上昇し、国内の小麦価格に上昇圧力がかかる可能性があります。

 

(現在の日本は小麦の純粋な価格の上昇と輸入に対するエネルギーの高騰、2つの原因が挙げられます)

 

ロシアによるウクライナへの侵攻

地政学的な対立により、世界の小麦市場が混乱し、サプライチェーンに影響を及ぼし、小麦価格の不透明感を招いた。

日本政府は当初、侵攻の影響による小麦価格の上昇を13.1%と予想していました。

 

インフレ率の上昇

日本はインフレ率の上昇に直面しており、政府は小麦価格の上昇を当初の予想より低く抑えることで、家計への影響を軽減しようとしています。

 

輸入品への依存

日本は小麦供給の約90%を輸入に依存しており、世界的な小麦価格の変動やサプライチェーンの混乱に対して脆弱である。

 

価格決定システムと改定

日本政府は、毎年4月と10月に、過去6ヶ月間の外国産小麦の平均購入価格に基づいて小麦価格を改定しています。

 

今回の改定では、消費者の負担が重くならないよう、ロシア侵攻直後の高騰期を除き、過去6ヶ月間の平均価格に基づいて改定されました。

栄養失調と健康状態の悪化

小麦や小麦を原料とする製品の価格が上昇すると、人々は栄養価の低い食品を摂取せざるを得なくなり、栄養失調や健康状態の悪化につながる可能性があります。

 

日本における小麦の価格上昇の対策

政府は輸入小麦の価格を予想より少ない5.8%引き上げることで家計への影響を軽減しようとしていますが、それでも2007年に現在の価格制度が始まって以来、最も高い小麦価格になることが予想されます。

 

いつかまで高騰するのか?

 

現在の小麦の高騰がいつまで続くのかは、現在のところわかりません。

なぜなら、ウクライナ戦争が膠着したことにより戦争の終結が見えなくなっているためです。

 

多くの報道がされており、ロイター通信などを私も見ていますが、ロシアが優勢との情報やウクライナが攻勢、ロシア内部でクーデターが起きるのでは?などさまざまな情報が錯綜しています。

 

理由は、明確で詳しい戦況は知ることができないからです。

 

現在のウクライナではSNSの使用や国内の写真の投稿を禁止されています。

 

SNSの投稿の写真をロシアが確認し、どのミサイルが予測よりどの程度ズレたか?などをわからせないという理由があります。

 

他にも、ウクライナはインフラ設備を破壊されているため、2023年の始まりから昼間は電気もガスも家庭では使えなかったそうです。

(電力供給が不足しており、必要な電力はオフィスや政府など重要なところで使用していたため)

 

現状、このようなウクライナが戦争が終わってすぐに小麦を生産できるかも疑問です。

多くの穀倉地帯をロシアが攻撃したことで焼け野原になっている場所もあるので、簡単に元に戻るとは思えません。

 

また、世界の食糧よりも現在のウクライナにいる方々の安否の方が最重要ですね。

1日も早く解決することを願うばかりです。

 

 

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