みなさんは 「カッコウ」 という鳥にどんなイメージをもっていますか?
「カッコウ カッコウ しずかに~♪」
「静かな湖畔の森の影から・・・カッコウが鳴く~♪」
など童謡にもたくさん出てきますし、幼いころから親しみのある鳥ではないでしょうか?
でも、その正体を知ると、とても親しみが沸くような相手ではないので驚きます。
そんな 「カッコウ」 と合わせて、似ている鳥たちもご紹介します。
「カッコウ」 について
♢カッコウはどんな鳥?
・カッコウは、鳥綱カッコウ目カッコウ科に分類される鳥です。
・ユーラシア大陸とアフリカから、5月頃に日本にやってくる渡り鳥です。
・日本では山地、草原、牧草地など比較的開けた環境に生息しています。
♢カッコウの大きさや羽色など見た目は?
・全長35㎝
・体は細身で灰色。お腹は白に細かい横縞があります。
→この横縞は鷹の模様にそっくりです。鷹に狙われる危険を回避するため?という説もあります。
♢カッコウの鳴き声と名前の由来
カッコウは 「カッコー カッコー」 という鳴き声から名前が付きました。
・イギリスでは 「クー クー」 と呼ばれています。
*豆知識*
カッコウは、別名 「閑古鳥」 と呼ばれているのをご存知ですか?
人里離れた山の中で鳴くカッコウの声が寂しい・・・というところからきているそうです。
托卵について
カッコウは自分で子育てをしない?
いよいよ、今日の本題ともいえる 「カッコウの悪行」 についてお話します。
カッコウは子育てをしません。
卵を産む時期になると、他の鳥の巣に卵を産み育ててもらいます。
これを 「托卵」 といいます。
他の親鳥の承諾もなく、どんな要領でこれを実行するのか?が、とても気になりますよね。
カッコウは産卵期になると、子育てを押し付けられそうな適当な親を探します (この親を仮親と言います)
仮親を見つけた後は、根気よくその巣を見張っています。
そして、仮親が巣から離れた一瞬の隙を狙って、その巣に入り卵を産みます。それは、たった10秒の早業というからビックリ!
その後、産んだ数だけ元々あった卵を落とします。
怪しまれないため、卵は元の数と合わせるというので、更にビックリ。 (詐欺師顔負け)
これはプロの仕事ですよ‼
でも気になるのが、この一瞬のタイミングで、卵を産めるの? ということです。
いろいろ調べた結果、カッコウは産卵を2~3時間遅らせることもヘッチャラだそうです。
ここまで来ると、生まれつき 「悪しきもの」 の素質が備わっているのかも?・・・と感じてしまいます。
・・・が、これで終わりではありません。
続いて 「悪行」 を始めるのが、 カッコウのヒナです。
カッコウのヒナは、元いたヒナより早く孵ります。
仮親がエサを取りに出ると、すぐさま他の卵を外に落とします。エサをもらうライバルを消すためです。
もう、親から子への遺伝としか言いようがない所業ですね↷
このようにして、托卵は行われます。
カッコウは、 「ホオジロ」 「オナガ」 「オオヨシキリ」 に托卵することが多いとされます。
ホトトギスも托卵する
以前の記事で少し触れましたが、ホトトギスはウグイスに托卵します。
ホトトギスの体長は28㎝。
托卵相手のウグイスは、その半分程度の14~15㎝なので、
大きささえもお構いなしで非情です。
カッコウ目、カッコウ科に分類されるというので、同じ習性があるようです。
ホトトギスもカッコウと同じ渡り鳥です。
5月頃日本に飛んできます。
鳴き声は 「テッペン カケタカ」 や 「トッキョキョカキョク」
と表現されています。
―まとめー
カッコウを中心にお話してきましたが、残酷な 「托卵」 の印象が強過ぎますね。
ただ、カッコウやホトトギスに托卵された鳥たちが、絶滅しているわけではありませんからご安心を。
調べてみたところ、托卵された鳥たちは卵の識別能力を習得するようですよ。 ただ手をこまねいているわけではない!というところが頼もしいですね。
自然の進化の偉大さを感じながら・・・ではまた・・・。