今回は、BIMの活用が日本で進まないことについて紹介いたします。
日本では進んでいないのですが、アメリカのBIMの活用率は日本よりもはるかに高い水準を誇っています。
この日本とアメリカの違いの大きな部分が『国民性』の部分です。
また、そのアメリカの国民性に合わせて作られたものが『BIM』のため、日本に合わない大きな部分です。
ただ、建物のDXを行うにあたっても、BIMの活用は必須となります。
日本がこのBIMをどのようにすることができれば、多くの設計施工でBIMが活用されていくのかについてお伝えします。
アメリカのBIMの活用状況
- アメリカがBIMの発祥の地とされる。
- 建築業界は一品受注生産の特徴があり、他の工業製品と比べて生産性が低い。
- 設計と施工が分断され、情報の非効率的な共有が問題となっていた。
- 契約社会のため、明らかな設計ミスでもそのまま建物が建てられる場合があった。
- BIMの誕生は、設計から施工、管理の一貫したシステムを提供し、情報の視覚的共有が可能となる。
- 2003年、政府のBIM計画発表後、2007年のBIM導入率が3割、2012年には7割と急速に普及。
- 土木分野でも、BIMの活用が5割に達している。
- 連邦全体でBIMを義務化する機関は存在しないが、各州がBIM利用の主導をしている。
- ウィスコンシン州は大型の州のプロジェクトと新しい建設プロジェクトにBIMを義務付け。
- 2018年、ロサンゼルス コミュニティ カレッジ学区は全ての主要プロジェクトにBIM使用を指示。
アメリカの建築の場合、契約社会なこともあり担当業務のみに責任が発生します。
そのため、設計と施工の情報の共有が非常に重要になります。
この課題を解決するために作られたものがBIMになります。
日本のBIM導入の現況
- 海外に比べて日本でのBIMの普及が遅れている。その理由は、設計と施工の相互補助の傾向が強いため、情報共有のメリットを十分に感じないから。
- 2009年は「BIM元年」と称され、大手建設会社がBIMを導入開始。東京スカイツリーなどの公共建築でのBIM活用が目立ち始める。
- 2016年の調査によると、大手の建設会社や設計事務所の約8割がBIMを導入済み。
- 2021年の国土交通省の調査では、総合設計事務所の81%と、中小企業を含めた場合で46%がBIM導入済み。
- 今後、関連事業者や専門設計事業者でもBIM導入の動きが加速すると予想される。
- Google Earthの3D映像、そしてBIM。シンガポールでは3Dの都市モデルが現実となりつつあり、日本でも3次元での街の可視化の未来が近づいている。
実際に日本でも導入は進んではいますが、活用されているかという問題は別になります。
元々、日本は助け合いの精神があるため、契約条件に縛られることなく、設計施工でのサポートは行なっています、
この助けあいがあることで、BIMのようなデータがなくても建築を行うことがアメリカよりもスムーズに行うことができます。
こちらの情報にあるように設計施工一貫の場合でのBIMの活用は22%
設計施工が別の場合は3%とBIMの活用が極めて低いのが日本の現状です。
日本がBIMを導入する必要はあるのか?
これからの建物管理のDXに関してBIMは必須になります。
建物の構造のデータがなければ、建物の管理をデジタルで行うことができません。
- 『いつどの部分に改修が行われたのか?』
- 『建物のどの部分でトラブルが多いのか?』
- 『センサーはどの部分に何を取り付けたのか?』
- 『カメラはどの部分に付けられているのか?』
- 『清掃ロボットはいつ、どのルートを掃除しているのか?』
これらの情報を一元管理かし、見える化することで建物の管理を最適化することができます。
・使われていないフロアの空調の制御
・利用頻度の少ない時間に清掃を行う
・使用頻度が多い部分に対して清掃回数を増やす清掃の最適化
今後建物をデジタルで管理するには、土台となるBIMの情報の活用が必須になります。
逆に、日本がBIMを活用し建物のDX化をすることができれば、世界TOP水準の衛生環境を世界に発信できることにもなりますね。
そうなると、日本の建物管理のノウハウを海外に売ることが出来ます。
結果、日本ならではのサービスを世界に販売をできることが出来るようになるので、是非とも日本の設計会社、施工会社、FM会社、ビルメンテナンス会社が一丸となって頑張っていただきたいなと思います。