ビル管理業界とは?
管理会社の種類
管理会社はその背景や専門分野によって様々なタイプに分類されます。
主要なカテゴリとして「系列系管理会社」と「独立系管理会社」が存在します。
系列系管理会社の概要と特徴
系列系管理会社は親会社の影響を受け、その特性によってサービス内容が異なります。
例えば、デベロッパーや建設会社のグループ企業であれば、その関連物件の管理を主に行います。
また、不動産管理や清掃業務を展開する企業もあります。
独立系管理会社の独自性
一方で、独立系管理会社は親会社を持たず、その規模や特徴は多岐にわたります。
これらの企業は独自の戦略で市場に参入し、様々なサービスを提供しています。
管理会社の選び方とポイント
選択肢が豊富な管理会社の中から、自社に合ったパートナーを見つけることが重要です。
各社の特徴を理解し、効果的な選定を行いましょう。
ビル管理会社別の違い
大手系列系ビル管理会社の特徴
大手系列系のビル管理会社は、親会社のブランド力を背景に、高い信頼性と安定したサービスを提供しています。
これらの企業は設備管理を主業務とし、業界内での給与水準も高めです。
また、年間休日も比較的多く設定されており、働きやすい環境が整っています。
給与と休日のバランス
大手系列系では、給与水準が高く、休日も充実しています。
仕事の量は多いですが、それに見合った報酬と休息が得られるでしょう。
独立系ビル管理会社の特徴
独立系のビル管理会社は、大手系列系とは異なり、独自の戦略で市場に参入しています。
これにより、多様なサービスを提供しており、選択肢の幅が広がります。
独立系の給与水準と休日
独立系では給与水準がやや低めですが、その分、小回りの効く柔軟なサービスを提供しています。休日は少なめですが、現場重視の仕事が多いため、実務経験を積むことができます。
自社系ビル管理の特徴
自社系ビル管理は、一般企業の内部部署として働く形態です。
ビルメンテナンス業界とは異なり、企業の給与水準に準じた報酬が得られます。
また、仕事の量は比較的少なく、プライベートな時間を大切にできる環境があります。
自社系で働くメリット
自社系では、安定した給与と比較的多い休日を享受できます。
仕事の繁忙度は場合によりますが、総じてバランスの取れた働き方が可能です。
ビル管理会社の違い早見表
項目 | 系列系管理会社 | 独立系管理会社 | 自社系ビル管理 |
---|---|---|---|
背景・所属 | 親会社のグループ企業 | 独立して運営 | 一般企業の内部部署 |
主な業務 | 親会社関連の物件管理、設備管理 | 設備管理、清掃、警備など多岐にわたる | 企業内の施設管理、設備管理 |
給与水準 | 比較的高い | やや低め | 企業の給与水準に準じる |
年間休日 | 比較的多い | やや少なめ | 企業の休日水準に準じる |
仕事の量 | 多い | 様々 | 比較的少ない |
求人の多さ | 多い | 多い | 少ない |
選び方のポイント | ブランド力と安定性を重視 | 柔軟な働き方を求める | 安定した給与と働きやすさを重視 |
ビル管理の業務の内容や種類
環境衛生環境管理業務
清掃管理業務(建物内部清掃)
床・天井・内壁
床、天井、内壁の清掃は、ビル内の美観を保ち、衛生的な環境を維持するために重要です。
床は日常的に多くの人々が歩くため、汚れや傷がつきやすい部分です。
定期的なワックスがけや拭き掃除が必要です。天井や内壁もほこりや汚れが溜まりやすいため、定期的な清掃が必要です。
トイレ・洗面所
トイレと洗面所は衛生状態を最も重視するべきエリアです。
これらのエリアは頻繁に使用されるため、汚れや細菌が溜まりやすく、悪臭の原因ともなります。
便器、洗面台、床、壁などを定期的に清掃し、消毒することで清潔な状態を保ちます。
ブラインド・照明器具
ブラインドはほこりが溜まりやすいため、定期的な拭き掃除が必要です。
清潔な状態を保つことで、室内の印象を良くし、快適な空間を提供します。
照明器具もほこりが溜まりやすく、汚れが蓄積すると光の効率が低下します。
定期的な清掃により、明るさを維持し、電気の無駄遣いを防ぎます。
エレベーター・エスカレーター
エレベーターとエスカレーターはビル内での移動手段として欠かせない設備です。
これらの設備は日常的に多くの人々が利用するため、ボタンや手すりなどが汚れやすくなります。
定期的な清掃と消毒により、利用者に清潔で安全な移動手段を提供します。
これらの衛生管理業務を適切に行うことで、ビル内の清潔さと快適さを保ち、利用者に安心して建物を利用してもらうことができます。
清掃管理業務(建築物外部清掃)
1. 外壁・窓ガラス・サッシ
- 外壁: 外壁の清掃は、ビルの外観を美しく保つために重要です。汚れやコケ、落書きなどがあると建物全体の印象が悪くなります。高圧洗浄機を使用して外壁を洗浄し、必要に応じて塗装を行います。
- 窓ガラス: 窓ガラスの清掃は、自然光を取り入れるために重要です。汚れた窓ガラスは光を遮り、室内の明るさを低下させます。定期的な清掃で透明度を保ちます。
- サッシ: サッシの隙間にはほこりや汚れが溜まりやすいため、定期的な清掃が必要です。また、サッシの動きが悪くならないようにメンテナンスも行います。
2. 屋上
屋上は雨水の排水や設備機器の設置場所として利用されることが多いです。
屋上の排水溝は定期的に清掃し、詰まりを防ぎます。
また、屋上に設置された設備機器の周囲も清掃し、機器の効率的な運転を支えます。
3. 建物外回り
建物外回りには、アプローチや駐車場、緑地などが含まれます。
これらのエリアも清潔に保つことで、ビルへのアクセスを快適にし、良い印象を与えます。
落ち葉の掃除や草刈り、ゴミ拾いなどを定期的に行います。
衛生環境管理(空気環境管理)
空気環境測定
室内の空気の質を確認するためのものです。
CO2濃度、湿度、温度、揮発性有機化合物(VOC)の濃度など、さまざまな要素を測定します。
これにより、室内の空気が健康に影響を及ぼす可能性があるかどうかを判断し、必要に応じて対策を講じることができます。
空気調和装置
室内の温度や湿度を調整するための装置です。
これらの装置のフィルターや冷媒、送風機などの部分は定期的にメンテナンスや清掃が必要です。
汚れたフィルターは効率的な空気の循環を妨げ、室内の空気の質を低下させる可能性があります。
また、冷媒のリークや送風機の故障なども健康や安全に影響を及ぼす可能性があるため、定期的な点検やメンテナンスが必要です。
空調用ダクト
空気調和装置から取り込んだ空気を室内に供給するための通路です。
ダクト内部はホコリや汚れが溜まりやすく、これが原因でカビや細菌が繁殖することがあります。
そのため、定期的にダクト内部の清掃や消毒が必要です。
特に、ダクト内部のカビや細菌は、アレルギーや呼吸器系の疾患を引き起こす原因となることがあるため、適切な管理が求められます。
衛生環境管理(給水管理)
貯水槽清掃
ビル内の貯水槽内部の汚れや異物を除去し、水の清潔さを保つための業務です。
貯水槽内部には時間とともに汚れやサビ、藻類などが蓄積することがあり、これらが水質を悪化させる原因となります。
定期的な清掃と消毒を行うことで、水質の悪化を防ぎ、安全で清潔な水を供給することができます。
水質検査
ビル内で使用される水の安全性を確認するための業務です。
検査項目には、細菌の有無、有害物質の濃度、pH値、硬度などがあります。
水質検査を定期的に行うことで、水が飲用や生活用水として安全であるかを確認し、必要に応じて対策を講じることができます。
給水管洗浄
ビル内の給水管内部の汚れやサビを除去し、水の流れをスムーズにするための業務です。
給水管内部には時間とともに汚れやサビが蓄積し、これが水質の悪化や水圧の低下を引き起こすことがあります。
定期的な洗浄を行うことで、これらの問題を防ぎ、安全で快適な水の供給を維持することができます。
衛生環境管理(排水管理)
排水槽清掃
ビル内の排水槽内部の汚れや異物を除去し、悪臭の発生を防ぎ、排水の流れをスムーズにするための業務です。
排水槽は、キッチンやトイレからの排水が集まる場所であり、定期的な清掃が不十分だと悪臭の原因となる汚泥が蓄積します。
清掃を行うことで、悪臭の発生を防ぎ、衛生的な環境を保つことができます。
浄水槽清掃
ビル内の浄水槽内部の汚れや異物を除去し、水質を保つための業務です。
浄水槽は、水道水を一時的に貯めておくためのタンクであり、定期的な清掃と消毒を行うことで、水質の悪化を防ぎ、安全な水を供給することができます。
浄化水槽清掃
ビル内の浄化水槽内部の汚れや異物を除去し、水質を保つための業務です。
浄化水槽は、使用済みの水を再利用するために、汚れを浄化するタンクです。
定期的な清掃とメンテナンスを行うことで、浄化機能を維持し、再利用水の品質を保つことができます。
排水管清掃
ビル内の排水管内部の汚れや異物を除去し、排水の流れをスムーズにするための業務です。
排水管内部には時間とともに汚れや異物が蓄積し、これが排水の流れを妨げる原因となります。
定期的な清掃を行うことで、これらの問題を防ぎ、悪臭の発生を防ぐことができます。
衛生環境管理(害虫対策)
ビル内外でのネズミや昆虫の発生を防ぐための対策を行います。
これには、定期的な巡回調査を行い、害虫の発生源や侵入経路を特定し、適切な防除方法を選定して実施することが含まれます。
また、ビル内外の清掃を徹底し、害虫が発生しやすい環境を作らないように努めます。
防除方法としては、薬剤散布やトラップの設置などがあります。
衛生環境管理(廃棄物処理)
ビル内で発生するゴミを適切に収集し、搬出して処理する業務です。
これには、ゴミの分別収集やリサイクル可能な資源の回収も含まれます。
ゴミの収集は、ビル内の清潔さと衛生を保つために重要であり、また、適切な廃棄物処理は環境保護の観点からも重要です。
ゴミの収集・搬出・処理は、地方自治体の規則や法律に従って行われる必要があります。
警備・防災業務
警備業務
ビル内外の安全と秩序を維持するための活動を指します。
これには、入退館管理、監視カメラの監視、巡回パトロール、非常時の対応などが含まれます。
警備員は、不審者の侵入防止、盗難防止、そしてビル利用者や訪問者の安全を確保する役割を果たします。
また、緊急時には迅速に対応し、必要に応じて警察や消防などの外部機関と連携します。
防火防災業務
防火防災業務は、火災や災害からビルとその利用者を守るための活動を指します。
これには、火災報知器やスプリンクラーなどの防火設備の点検・保守、避難訓練の実施、災害時の初動対応などが含まれます。
ビル管理者は、常に防火防災設備が正常に機能するように管理し、災害時には迅速かつ適切な対応を行うことで、人命と財産の損失を最小限に抑える役割を果たします。
駐車場管理
ビルに併設されている駐車場の運営と管理を行う業務です。
これには、駐車スペースの割り当て、駐車料金の徴収、駐車場内の交通整理、車両の出入り管理などが含まれます。
駐車場管理者は、スムーズな車両の流れを確保し、駐車場内の安全を維持する役割を果たします。
また、駐車場の利用者に対して親切かつ迅速なサービスを提供することで、ビルの利便性と満足度を向上させます。
設備管理業務(運転保守業務)
設備管理業務(運転保守業務):電気通信設備
受変電設備
外部から供給される電力をビル内で使用できるように変換し、配分する役割を果たします。
この設備の運転保守業務には、定期的な点検、清掃、部品の交換などが含まれます。
これにより、安定した電力供給を維持し、電気設備のトラブルを未然に防ぎます。
屋内配線設備
受変電設備から受け取った電力をビル内の各所に配電する役割を果たします。
この設備の管理には、配線の点検、接続部の締め付け、絶縁状態の確認などが含まれます。
これにより、電力の安全な配電を保ち、火災などの事故を防ぎます。
照明設備
照明設備は、ビル内の照明をコントロールする設備です。
運転保守業務には、電球の交換、照明器具の清掃、制御システムの点検などが含まれます。
これにより、快適な照明環境を維持し、エネルギーの効率的な使用を促進します。
非常用発電設備
非常用発電設備は、停電時にビル内の重要な設備に電力を供給するための設備です。
運転保守業務には、定期的な試運転、燃料の補充、部品の点検・交換などが含まれます。
これにより、緊急時にも安定した電力供給を確保します。
電話設備
ビル内の通信を担う重要な設備です。運転保守業務には、回線の点検、端末のメンテナンス、通信品質の確認などが含まれます。
これにより、スムーズなコミュニケーションを維持し、ビル内の業務効率を向上させます。
蓄電池設備
蓄電池設備は、電力を蓄えておくための設備です。
運転保守業務には、蓄電池の充放電の管理、性能の点検、寿命の管理などが含まれます。
これにより、必要時に安定した電力供給を確保し、エネルギーの効率的な使用を促進します。
これらの設備管理業務を適切に行うことで、ビル内の設備が常に最良の状態で機能し続けることが可能となります。
設備管理業務(運転保守業務):空気調和設備
ボイラー
水を加熱して蒸気や温水を生成する設備です。運転保守業務には、定期的な点検、清掃、部品の交換、安全弁の検査などが含まれます。
これにより、効率的な熱生成を維持し、安全に運転することが可能となります。
空気調和装置
空気調和装置は、ビル内の温度、湿度、空気の清浄度を調整する設備です。
運転保守業務には、フィルターの交換、冷媒の補充、各部の清掃、制御システムの点検などが含まれます。
これにより、快適な室内環境を維持し、エネルギーの効率的な使用を促進します。
冷凍機・冷却塔
冷媒を使用して空気や水を冷却する設備で、冷却塔は冷凍機で発生した熱を外部に放出する設備です。
運転保守業務には、冷媒の点検・補充、各部の清掃、冷却水の水質管理、部品の交換などが含まれます。
これにより、効率的な冷却を維持し、設備の寿命を延ばします。
冷温水発生装置
冷温水発生装置は、冷水や温水を生成し、ビル内の空調や給湯に使用する設備です。
運転保守業務には、水質の管理、各部の清掃、部品の点検・交換などが含まれます。
これにより、安定した水温を維持し、設備の効率的な運転を促進します。
送風機・排風機
送風機は、空気をビル内に送り込む設備で、排風機は使用済みの空気をビル外に排出する設備です。
運転保守業務には、ファンの清掃、ベルトの調整・交換、モーターの点検、制御システムの点検などが含まれます。
これにより、ビル内の空気の循環を維持し、快適な室内環境を提供します。
設備管理業務(運転保守業務):給水設備
給水管理
給水管理は、ビル内に安全で清潔な水が供給されることを確保する業務です。これには以下のような作業が含まれます。
- 水圧の管理:ビル内の各階に適切な水圧が供給されるように管理します。水圧が低すぎると水が十分に供給されない問題が発生し、高すぎると配管が破損する恐れがあります。
- 水質管理:定期的な水質検査を行い、水が飲用基準を満たしていることを確認します。また、必要に応じて水道水のクロリネーションなどの処理を行います。
- 貯水槽の管理:貯水槽の清掃や消毒を定期的に行い、水が清潔に保たれるようにします。
- 配管のメンテナンス:配管の腐食や漏水を防ぐために、定期的な点検と必要に応じて修繕を行います。
排水管理
排水管理は、使用済みの水が適切に処理され、ビル外へ安全に排出されることを確保する業務です。これには以下のような作業が含まれます。
- 排水管の清掃と点検:排水管内の詰まりや損傷を防ぐために、定期的な清掃と点検を行います。
- 排水処理設備の管理:ビル内に排水処理設備がある場合、その運転とメンテナンスを行います。
- 悪臭対策:排水管からの悪臭がビル内に漏れないように、適切な対策を講じます。
- 排水槽の清掃:定期的に排水槽を清掃し、汚泥や異物が溜まるのを防ぎます。
設備管理業務(運転保守業務):消防用設備
警報設備
火災や異常な状況を早期に検知し、ビル内の人々に警告するためのシステムです。
これには煙探知器、熱感知器、ガス漏れ探知器などが含まれます。
これらのセンサーが異常を検知すると、アラームが鳴り、場合によっては自動的に消防署へ通報するシステムもあります。
定期的な点検とメンテナンスが必要で、センサーの感度調整やバッテリーの交換などが行われます。
消火設備
消火設備は、火災が発生した際に迅速に消火するためのシステムです。
スプリンクラーシステム、消火器、消火栓などが含まれます。
スプリンクラーは熱を感知して自動的に作動し、消火器は手動で使用します。
消火栓は消防車が到着する前に初期消火を行うために使用されます。
これらの設備も定期的な点検とメンテナンスが必要で、消火器の圧力チェックや消火剤の補充、スプリンクラーの動作確認などが行われます。
避難設備
避難設備は、火災や災害が発生した際にビル内の人々が安全に避難できるようにするためのシステムです。
非常階段、非常口、避難誘導灯などが含まれます。
非常階段や非常口は常に利用可能な状態に保たれ、避難誘導灯は停電時でも作動するようにバッテリーが内蔵されています。
これらの設備も定期的な点検とメンテナンスが必要で、非常階段の清掃や避難誘導灯のバッテリーチェックなどが行われます。
設備管理業務(運転保守業務):昇降機設備
エレベーター
ビル内の異なる階を垂直に移動するための設備です。
乗客用エレベーター、貨物用エレベーター、非常用エレベーターなど、用途に応じてさまざまな種類があります。
エレベーターの運転保守業務には、定期的な点検、メンテナンス、故障時の修理が含まれます。
点検項目には、ドアの開閉機能、非常停止ボタン、非常通話装置、ケーブルの状態などがあります。
また、エレベーター内の清掃や照明の点検も重要です。
エスカレーター
エスカレーターは、ビル内の異なる階を斜めに移動するための設備で、特に商業施設や駅などでよく見られます。
エスカレーターの運転保守業務には、定期的な点検、メンテナンス、故障時の修理が含まれます。
点検項目には、手すりの動作、ステップの動き、非常停止ボタンなどがあります。
また、ステップや手すりの清掃も重要です。
建物・設備保全業務
点検整備業務(建築構造物の点検調査)
建築構造物の点検調査は、ビルの基本となる構造体の健全性を確認し、必要に応じて補修や強化を行うための業務です。
これには、外壁、屋根、柱、梁、床、基礎などの構造部分の点検が含まれます。
専門の技術者が目視や打診調査、場合によっては非破壊検査などを行い、ひび割れ、腐食、劣化などの異常を発見し、その原因と対策を報告します。
定期的な点検と適切なメンテナンスにより、建物の耐久性を保ち、災害時の安全性を高めます。
点検整備業務(建物整備の点検調査)
建築設備の点検調査は、ビル内の機械設備や電気設備、給排水設備などの機能性と安全性を確認し、快適な居住・利用環境を維持するための業務です。
エレベーター、空調システム、照明設備、消火設備、給水・排水設備などが対象となります。
専門技術者が定期的に点検を行い、異常があれば修理や調整を行います。
また、エネルギー効率の向上や設備の更新など、より快適で効率的なビル運営を目指した提案も行います。
これにより、ビルの機能性を維持し、利用者の満足度を高めることができます。
その他の管理業務
受付・案内
受付・案内業務は、ビルのエントランスやロビーに位置し、訪問者の最初の印象を左右する重要なポジションです。
受付担当者は訪問者を温かく迎え入れ、必要に応じてビル内の目的地への案内や情報提供を行います。
また、セキュリティの観点から訪問者の身分確認や登録、訪問先への連絡も行います。
エレベーター運転
一部のビルでは、エレベーターの運転を専門のオペレーターが行うことがあります。
これにより、エレベーターの効率的な運用と利用者の安全が確保されます。
オペレーターはエレベーター内での混雑を防ぎ、障害者や高齢者などのサポートも行います。
電話交換
電話交換業務は、ビル内の電話システムを管理し、外線からの電話を適切な内線に転送する役割を果たします。
これにより、ビル内の企業や店舗へのスムーズなコミュニケーションが可能となります。
また、必要に応じて外線への発信もサポートします。
PM(プロパティマネジメント業務)
プロパティマネジメントは、不動産オーナーから委託され、賃貸物件の運営管理を行う専門職です。彼らは賃貸契約の締結から管理、メンテナンス、家賃の回収まで、不動産に関する一連の業務を代行します。目標は、物件の価値を高め、安定した収益を生み出すことです。
入居者とのコミュニケーション
プロパティマネジメントは、入居者からの問い合わせやクレームに対応し、快適な居住環境を提供します。これには、近隣トラブルの解決や共有部分のメンテナンスなどが含まれます。
オーナーへの報告と提案
物件のオーナーに対して、定期的な報告を行い、物件の価値向上や収益増加のための提案を行います。これには、空室対策や家賃設定の最適化、必要に応じたリノベーションの提案などが含まれます。
物件のメンテナンスと管理
物件の定期的な点検やメンテナンスを行い、建物の価値を維持し、入居者の安全と快適さを確保します。また、必要に応じて修繕工事の手配や管理も行います。
財務管理
家賃の回収や滞納の管理、オーナーへの支払いなど、物件に関する財務業務を行います。これには、契約更新時の手続きや入退去時の精算業務も含まれます。
プロパティマネジメントの重要性
プロパティマネジメントは、不動産投資の成功において重要な役割を果たします。彼らはオーナーに代わって物件を管理し、資産価値の向上と収益の最大化を目指します。また、入居者とのコミュニケーションを通じて、物件の魅力を高め、長期的な安定収益を確保することができます。
FM(ファシリティマネジメント業務)
コスト削減と効率化
ファシリティマネジメントにより、施設や設備の運用コストを削減し、効率的な運営を行います。これにより、企業の収支バランスを改善し、競争力を高めます。
資産価値の維持と向上
適切なファシリティマネジメントにより、施設や設備の資産価値の低下を抑制し、長期的に利用することが可能にします。また、空きスペースの有効活用により、収益化も図ります。
ファシリティマネジメントの重要性
ファシリティマネジメントは、施設や設備を戦略的に管理し、運用コストを適正化することで、企業の競争力を高める重要な役割を果たします。
ビル管理に活かせる資格と業務
業務カテゴリ | 資格名 | 関連する業務内容 |
---|---|---|
清掃管理業務 | ビルクリーニング技能士 | ビル内外の清掃作業 |
清掃作業監督者 | 清掃作業の管理・監督 | |
病院清掃受託責任者 | 病院内清掃の管理・監督 | |
建築物清掃管理評価資格者 | 建築物清掃の品質管理・評価 | |
衛生管理業務 | 空気環境測定実施者 | 室内空気環境の測定・評価 |
ダクト清掃作業監督者 | 空調ダクト清掃の管理・監督 | |
貯水清掃作業監督者 | 貯水槽清掃の管理・監督 | |
飲料水水質検査実施者 | 飲料水の水質検査 | |
排水管清掃作業監督者 | 排水管清掃の管理・監督 | |
防除作業監督者 | 害虫・害獣防除作業の監督 | |
設備管理業務 | 電気主任技術者 | 電気設備の管理・保守 |
電気工事士 | 電気設備の工事・修理 | |
ボイラー技士 | ボイラー設備の操作・管理 | |
冷凍機械責任者 | 冷凍・空調設備の管理 | |
消防設備点検資格者 | 消防設備の点検 | |
消防整備士 | 消防設備の整備・修理 | |
昇降機など検査員 | エレベーター等の検査・保守 | |
建物・設備保全業務 | 特殊建築物調査資格者 | 特殊建築物の定期調査 |
建築物設備検査資格者 | 建築物設備の検査・評価 | |
防災・防火業務 | 警備員指導教育責任者 | 警備員の教育・指導 |
機械警備業務管理者 | 機械警備システムの管理 | |
警備員検定合格者 | 警備業務 | |
危険物取扱者 | 危険物の取扱い・保管 | |
プロパティマネジメント | 宅地建物取引士 | 不動産取引の仲介・管理 |
管理業務主任者 | マンション等の管理業務 | |
マンション管理士 | マンション管理の専門家 | |
ファシリティマネジメント | 認定ファシリティマネージャー | 施設全般の戦略的管理 |
不動産鑑定士 | 不動産の価値評価 | |
住宅建物取引士 | 住宅取引の専門家 | |
不動産コンサルティングマスター | 不動産に関する総合的なコンサルティング |
ビル管理とビルメンテナンスの違い
この定義はかなり曖昧なものです。
ざっくりお伝えするなら日本語と英語の違いのようなものです。
ただ、ビル管理会社という場合は、元々FM業務を主体としてきた会社をビル管理会社
ビルメンテナンス業務の『清掃』『設備』『警備』を主体としてきた会社をビルメンテナンス会社と呼ぶことが多いです。
ただ、ビルメンテナンス会社でも規模が大きくなってくるとFM業務を行うこともあることから、かなり曖昧な区分けになっています。
ビル管理の業務のまとめ
今回はビル管理業務について、幅広く解説しました。
もし就職を考えている方は、自分がどの分野の仕事をしたいのかを精査した上で面接を受けることをおすすめします。
それによって取得する資格も大きく変わってきます。
ちなみに日本のビルメンテナンス市場は4兆円とかなり大きな業界なので、それだけ業務が多岐にわたることも納得できますね!