ビルメンテナンス業界における発注方法は、プロジェクトの内容や期待する結果によって異なります。
性能発注と仕様発注はその中でも特に重要な発注方式として注目されています。
それぞれの発注方式が持つ特性や、そのメリット・デメリットについて詳しく解説します。
性能発注方式とは?
性能発注方式の定義
性能発注方式とは、発注者が求める機能や性能を明確にすることで、提供者にどのように達成するかの方法を任せる発注方法です。
具体的な手法や材料、施工方法などの細かい仕様は定めず、結果のみを重視します。
性能発注の適用例
例えば、ビルの断熱性能をアップさせるという目標がある場合、性能発注を用いると「特定の断熱材を使用する」という手段ではなく、「室内の温度を一定以下に保つ」という結果のみを求める形となります。
主な利用シーン
新しい技術や方法が継続的に導入される領域、特にビルメンテナンス業界においては、最新の技術や材料を取り入れやすい性能発注が適しています。また、発注者が技術的な詳細を把握するのが難しい場合にも適用されます。
仕様発注とは?
仕様発注の定義
仕様発注とは、発注者が具体的な手法や材料、施工方法などの細かい仕様を明確に指定して発注する方法です。この方式では、細かい条件を満たすことが提供者に求められます。
仕様発注の適用例
ビルの外壁材として「特定の石材を使用し、特定の方法で取り付ける」といった詳細な条件を設定する場合などに用いられます。この方式は、発注者が望む仕様に従い、提供者が施工することが求められます。
主な利用シーン
既存のビルのリニューアルや特定のデザイン・仕様を求める場合、また技術的な詳細にこだわりがあるプロジェクトでよく使用されます。仕様を明確にすることで、期待する結果を確実に得られる可能性が高まります。
性能発注のメリットとは?
柔軟性の確保
提供者が手法や材料を自由に選択できるため、最新の技術や材料を取り入れやすく、最適な方法での施工が可能となります。
結果重視の発注
結果のみを重視することで、提供者の技術力や知識を最大限に活用することができる。これにより、より高品質な結果が期待できます。
発注者の負担軽減
技術的な詳細を把握する必要がないため、発注者の負担が軽減される。専門的な知識が不足している発注者にとって、適切な発注が容易となります。
性能発注のデメリットとは?
結果の不確実性
結果のみを重視するため、提供者の手法や施工方法が事前に明確でない場合が多いです。これにより、想定外の施工方法が選択されるリスクがあります。
コミュニケーションの重要性
性能を明確に伝えるためのコミュニケーションが不可欠となります。このコミュニケーションが不十分だと、誤解やトラブルの原因となる可能性があります。
契約内容の複雑さ
具体的な施工内容ではなく、性能を中心とした契約となるため、契約内容の定義が複雑となることがあります。その結果、契約書の作成や確認に時間がかかることが考えられます。
性能発注と仕様発注のまとめ
今後のビルメンテナンス業界に求められているのは、性能発注と言われています。
その大きな理由としては、DXとSDGsの観点です。
今までのように決められたビルの管理方法では、現場単位で細かく対応しないといけない部分に適応していくことが難しくなります。
また過去の記事でもお伝えさせていただいたように、2025年には労働人口が減少することで、いち早くDXを行い、人の手が必要のない部分はロボットやセンサーに置き換え、今までの建物の美観を維持する必要があります。
そのために、現場単位で、発注方法を見直し、ロボットの運用や環境に配慮したケミカルを使用し新しい建物の管理が求められていると言えるのではないでしょうか?
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