今回は、いよいよ、日本の技術力の極みとも思える人工石油について紹介します。
過去に日本で話題になっていた『人造石油』とは別物になります。
前からも少しお伝えしていますように、日本は、国土も狭く石油資源をはじめエネルギー資源が極めて乏しい国です。
日本にも小さな油田はありますが、国内全てを賄えるには程遠く。 現実は大半を輸入に頼っています。
そのため、中東からの輸入が大半な日本は中東情勢の不安定化や原油価格の変動や円安、円高の影響で日本の経済は大きく変わります。
そんな中夢のような、エネルギー『人工石油』が登場しました。 今回は、夢のエネルギー『人工石油』について紹介いたします。
人工石油って何?
人工石油とは、水と二酸化炭素によって人工的に作られた石油になります。
日本は資源が乏しいとはいえ、水資源は豊かな国です。
水の豊富な日本とカーボンニュートラル、SDGsなどにも関わりのあるCO2を使用することで人工の石油を作ることに成功したようです。
もしこれが成功すれば、日本はアラブに負けない石油王国になれますね。
寧ろ、水と二酸化炭素で作ることができる分、無限に生産することが出来て尚且つ、CO2を排出してもまたそれを使用して石油を作るので環境に対しても非常にクリーンになりますね。
ところで、皆さんは日本がどのぐらい石油を輸入しているかご存知ですか?
日本の年間の石油の1日の使用量は3268バレルです。
(1バレル:約160リットル大体お風呂一杯分)
使用量は、アメリカ、中国、インド、サウジアラビアに続いて5位になっています。
石油の輸入先は
サウジアラビア🇸🇦 | 35.8% |
アラブ首長国連邦🇦🇪 | 29.7% |
カタール | 8% |
クウェート | 7% |
オマーン | 1.9% |
今回のウクライナ戦争でロシアの天然ガスもそうですが、エネルギー資源輸入に頼るということは、国の生命線を他国に握られていると言っても過言ではありません。
実際に最近の電気代の高騰はひどいですね。
人工石油はどうやってつくるのか?
出典:YouTube
動画を見ていただくどんなものかわかりやすいと思いますが、
図解するとこんな感じです。
1番初めの種油だけは灯油、重油、軽油などを使用するようですが、それ以降の種油に関しては、生成された人工石油を使用することで賄えるそうです。
生成された人工石油で発電し、発電の際のCO2はまた人工石油の生成に使用し、発電された電力でEVの充電を行えば、完全クリーンなエネルギーが生産されるようです。
この研究に関して、
商工会議所で構成する実証事業推進チーム
大阪、サスティナブル開発株式会社は
大阪市が実証フィールドとして花博記念公園、鶴見緑地で水と大気中のCO2などから生成する人工石油の発電システムの構築のための実証実験を実施するそうです。
人工石油には夢がある??
サスティナブル開発株式会社の方針では、このシステムから製造された石油を販売するのではなく、この機械そのものを貸し出す予定のようです。
今年の4月から何とサブスク形式で月額
『50万円』
これは、安いのか高いのか、もちろん稼働に対してどのぐらい一日に生産できるかにもよりますが、そもそも、コストの観点から見ると何と、1リットル当たり10〜14円で生産できるようです。
財務省の貿易統計によると、2022年12月に日本に輸入された原油の輸入価格は、平均すると1キロリットルあたり82,443円と前年同月に比べて+39.7%となっています。出典:東京くらしweb
この人工石油が一般的になると日本のエネルギー業界が一気に変わりますね。
エネルギー大国日本になるのもそう遠くないかもしれませんね。