この度このメタバースの関連団体として、日本メタバース協会が発足しました。
日本メタバース協会とはどのような団体なのかについてみていきます。
日本メタバース協会の概要について解説
そもそも日本メタバース協会とはどのような団体なのでしょうか?目的やビジョンについて、まずはくわしく見ていきましょう。
メタバースの普及と環境整備を目指す
日本メタバース協会はメタバース技術の普及や発展、環境整備を目的として、2021年12月7日に発足しました。
発足当時はFXcoin社とCoinBest社、Ginco社、インテリジェンスユニット社の4社によって構成されています。いずれも暗号資産関連の企業です。
協会の発足の背景にはメタバースの課題が関係しています。
メタバースの市場が今後急速に拡大すると見込まれている半面、ルール作りが追い付いていない状況です。
日本メタバース協会では官公庁と連携して、市場づくりや環境整備を進めメタバース先進国になることを目指すといいます。
日本メタバース協会のビジョンについて
日本メタバース協会では「メタバースビジネスのサポーター」を目指すとしています。
メタバースと一言で片づけられてしまうことも多いのですが、そのシステムは多岐にわたります。
オンラインゲームのようなものもあれば、ブロックチェーンやNFTに代表されるようなビジネスユースのものもあります。
ゲーム系は日本も先進国の一つですが、後者のビジネス系は世界の方が進歩していて、急速に拡大しています。
日本メタバース協会はゲーム関連だけでなく、多種多様なビジネスをサポートしていきたいと考えています。
日本メタバース協会の活動について
日本メタバース協会はすでに活発に活動を進めています。
例えば2022年4~6月には毎月勉強会を実施しています。
有識者や会員などを講師として、特定のテーマで講演を行っています。
また2022年6月には分科会も開催されました。会員同士がディベートすることで情報の共有や知識の交流を進めています。
その他にも会員が協力してシナジー効果を引き出すビジネスマッチングやプレスリリースをはじめとして会員情報の紹介も進めています。
会員情報を紹介することで興味を持ってもらい、次なるビジネスチャンスにつなげていきます。
日本メタバース協会は胡散臭い?その信頼性について
「日本メタバース協会」というキーワードで検索にかけると、
「胡散臭い」などのネガティブな関連ワードの出現することがあります。
実際団体の信頼性に疑問符をつけるような生地も出ています。
なぜ胡散臭いといわれるかについて、ここで解説します。
当事者不在の違和感
胡散臭いといわれる最大の理由は、当事者不在で団体が立ち上がった点です。
先ほども紹介したように、発足当初の4社はいずれも仮想通貨の関連企業です。
仮想通貨は少なくても直接的にはメタバースと関係ありません。
「関係のない会社が作った業界団体ってどうなのか?」
という声が上がるのは、ある意味当然のことです。
また公式サイトには代表理事挨拶が記載されているのですが、この内容に疑問を呈する声も聞かれます。
「仮想通貨とメタバースは関係ないのでは?」
という声を意識してか、挨拶文の中には
「メタバースを支えるブロックチェーンやNFTの技術を理解している人が少ない…」
というものがあります。ブロックチェーンなどは仮想通貨と密接に関係しています。
だからこそ「仮想通貨関連企業が団体を立ち上げることに意味がある」と言いたいのでしょう。
しかしメタバースの周辺技術としてブロックチェーンやNFTはあるかもしれないが、「支える」のは大げさではないかという意見もあります。
このように直接メタバースに関わっている企業がいないのは、団体を作ってもその権威はどうなのかという疑問が指摘されています。
従来のユーザーの間で不満
すでにメタバースを使っている日本人も少なくありません。
彼らは彼らのルールの中で活動しています。
ところが日本メタバース協会というものが作られて、勝手にルールを作って自分たちに押し付けてくるのではないかという警戒感があります。
メタバースは国籍や年齢、性別関係なく自由に過ごせる空間です。
協会が彼らの思いを無視して、勝手にルール作りを進めていくとますます両者の間の溝は深くなってしまうでしょう。
まとめ
日本メタバース協会が発足したことで、メタバースの日本国内における普及の進む可能性はあります。
しかしメタバースに直接関係ない会社ばかりが立ち上げている点に不信感を抱いている人も少なくありません。
また自分たちが築き上げてきた空間を「ルール整備」の名のもとに、一方的に規制してくるのではないかという懸念もユーザーの間でささやかれています。
このような疑問や不満にいかに対応しているかが、日本メタバース協会の当面の課題と言えるでしょう。
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