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酷暑、梅雨、台風、湿気、害虫など、夏限定で発生する問題は少なくありません。
そして、これはビルメンテナンスでも例外ではなく、夏限定で発生する問題は複数あるため、気を付けなければなりません。
本記事では、夏のビルメンテナンスで特に気を付けるべき8つの問題点について、詳細に解説していきます。
ビルメンテナンス業者をはじめ、ビルの管理・運用に携わる事業者はぜひご覧ください。
夏のビルメンテナンスで気を付けること
オフィスビルや商業施設などの施設は、利用される時期が限定されることはありません。
特にオフィスビルに関しては、長期休み以外は年中稼働となるため、ビルメンテナンスも業務が途切れることはないでしょう。
一方で、夏に関しては業務内容が増えます。その理由としては、夏限定で以下の8つの問題が発生しやすいからです。
・貯水タンクのカビ
・配管内のフィルター清掃
・エアコン設備の確認
・エアコンを原因とする異臭の発生
・害虫の発生
・水害の発生
・停電の発生
・清掃員の熱中症
これら季節性のある問題について、それぞれ詳細にみていきましょう。
貯水タンクのカビ
夏は梅雨時期を中心に湿気が高くなり、カビが発生しやすい季節です。中でも、ビルに設置されている貯水タンクには、特に注意をしなければなりません。
貯水タンクとは、ビル内に水を供給するために貯水しておく設備のことです。一般的なビルには2か所設置されており、1つは屋上、もう1つは地上または地下であることが多いです。
屋上のものは重力を利用してビル内の水道設備に水を供給する役割が、地上または地下のものは水道業者から送られてくる水を貯蔵しておく役割があります。
貯水タンクから供給される水は、飲料水としても使用されます。
カビが大量発生すると、それらを飲んで健康被害に繋がる恐れもあるため、特に夏の梅雨時期は注意するようにしましょう。
http://nagasaki-pipecleaning.com/_m/blog/2019/03/36/
https://reuse-kouhou.com/base/tank.html
配管内のフィルター清掃
配管も、貯水タンクと並んで水を供給するために不可欠です。
普段のメンテナンスでは、計器・振動・異音のチェックのみで済む場合が多いですが、夏は湿気が高くカビなどが発生しやすいので注意しましょう。
また雨量が多くなるため不純物もたまりやすくなります。配管内の清掃・フィルターの清掃は抜かりなく実施してください。
エアコン設備の確認
夏にエアコンが止まることは、テナント企業の業務に大きな影響を及ぼす死活問題です。
また、サーバールームがあるビルに関しては、熱を冷ますために24時間冷房を付けている箇所もあるでしょう。
エアコンの停止はテナント企業だけでなく、広範囲に影響が拡大するリスクが伴います。
停電を原因とする場合は避けられませんが、メンテナンス不足による停止は管理業者の責任です。
特に酷暑となりやすい7月~8月はいつも以上に慎重に確認するようにしましょう。
確認箇所は「空調設備」と「電気設備」です。
経年劣化、カビや不純物、振動や異音など、複数項目を確認し、異常がある場合は至急対応する必要があります。
https://www.alsok.co.jp/corporate/bsl_column/building_management.html
エアコンを原因とする異臭の発生
夏に冷房をかけると、エアコン内の金属部分が冷えて結露が発生します。
結果、水分が多くなるため、ホコリが付きやすくなることで、カビが生えやすくなります。
このカビが、エアコンを原因とする異臭の最も多い原因です。
フィルターや吹き出し口の掃除、消臭スプレーの使用などで、異臭対策をする必要があります。
ただしスプレーでは根本的な解決には至りません。カビ掃除を丁寧に行いましょう。
また、室内の掃除を入居者に依頼することも重要です。ホコリが多く発生している室内では、掃除をしてもまたすぐにカビが発生してしまうからです。
全ての責任をメンテナンス業者が負う必要はなく、お互いが協力しながら夏でも快適な環境をつくっていくことが求められます。
https://www.hokushinfudosan.co.jp/column/aircon.html
https://www.mainichikogyo.co.jp/blog/213/
https://www.ecoaircon.jp/content/cleaning-5
害虫の発生
ゴキブリ、トコジラミ、カメムシ、ハチなど、ビルには多くの害虫が通年発生しますが、とりわけダニと蚊に関しては夏に多く繁殖・発生しやすい害虫です。
利用者に害を及ぼしやすい虫でもあるため、夏の害虫にはビルメンテナンス業者は悩まされます。
ダニは吸血するだけでなく、アレルギーの原因にもなります。目に見えない大きさのダニが大量繁殖した場合には、専門業者への依頼も検討しなければなりません。
蚊に関しても、吸血被害や伝染病媒介といったリスクが生じます。
ヒトスジシマカというデング熱を媒介する蚊が繁殖した場合には、命にもかかわるため早急な対応が求められます。
夏のダニと蚊には特に注意し、発生した場合には専門業者に依頼するようにしましょう。
※一年を通して悩まされる害虫についての詳細は『ビルメンテナンスにおける害虫の種類と駆除の重要性を解説』で解説しております。こちらもあわせてご覧ください。
水害の発生
夏は台風や梅雨によって大雨になるため、洪水、氾濫、外水氾濫、内水氾濫、高潮、波浪など、水害の危険性が高まります。
例えば河川の氾濫によるビル内の床下浸水が起こった場合を想定して、排水溝の整備やビル内の避難ルートの確保をしてことが重要です。
他にも、実際に被害にあった後の復旧作業も想定しておく必要があるでしょう。
近年、地球温暖化を主な要因として異常気象が多発しています。
2022年の夏には、季節外れの大型台風の上陸、局地的な大雨、観測史上最速の梅雨明けなど、夏の水害が目立っています。
水害は決して発生リスクが低い災害ではありません。ビルメンテナンス業者は、被害を少しでも抑えるために、日々点検・管理が求められます。
>停電の発生
夏の台風や大雨の二次災害として発生しやすいのが停電です。
夜であれば被害は少ないですが、多くの人が働いている昼間に停電した場合は、企業の業務に支障が出てしまいます。
停電は事前に防ぐことは難しいです。
しかし、発生後に迅速な復旧作業を行うことで、被害は最小限に抑えることができます。
多くのビルは非常用発電機を備えていますが、長くはもちません。
この非常事態に慌てることのないよう、事前に停電時の復旧作業を想定しておきましょう。
また、日頃の電気設備類の点検も重要です。
点検が怠っていると、停電時の影響が大きくなることもあります。
https://bit.ly/3cyASzb
https://jp.ecoflow.com/blogs/ecoflow-blogs/summer-power-outage
清掃員の熱中症
中央制御室の担当者や屋内の警備員・清掃スタッフであれば、空調がきいているので大きな問題ではありませんが、設備の点検者など現場は直射日光が当たること、機械が熱を発すること、換気がよくないことなどが相まって、想像を絶する暑さの中作業しなければなりません。
とりわけ、窓の清掃員は、直接日光が当たることに加えて、ガラスの照り返しが激しく、熱中症のリスクが非常に高いです。
ここにコロナ対策としてマスクの着用が義務付けられるため、命にかかわる危険性もあります。
ビルを安全に管理していくためには、作業員の存在が欠かせません。通気性の高い作業着の着用、吸水性の高いタオルの常備、飲み物の持参、定期的な休憩など、熱中症対策は必ず行うようにしましょう。
最近では、ファン付きの作業着も増えてきました。最新技術も取り入れながら、年々気温が高まる夏を乗り越えましょう。
出典参照:
https://bit.ly/3cyASzb
https://www.maluju-fuku.co.jp/work/kus266_bldg.html
https://www.sinsei-bm.com/news/%E7%93%A6%E7%89%88%E3%82%92%E6%9B%B4%E6%96%B0%E3%81%97%E3%81%BE%E3%81%97%E3%81%9F%EF%BC%81/