環境保護において重要な役割を果たす「カーボンニュートラル」と「脱炭素」は、しばしば混同されがちですが、実はそれぞれ異なる概念を指します。
以下では、これらの違いを10点に分けて具体的に解説します。
カーボンニュートラルと脱炭素の違い:10個
1. 定義の違い
- カーボンニュートラル: これは、排出された二酸化炭素量と同等の量を吸収または削減することで、実質的なCO2排出量をゼロにするアプローチです。例えば、植林活動や再生可能エネルギーの利用が含まれます。
- 脱炭素: こちらは、二酸化炭素の排出自体を削減または排出しないようにすることを目指します。これには、化石燃料の使用を減らすことや、持続可能なエネルギー源への完全な移行が含まれます。
2. アプローチの違い
- カーボンニュートラル: 既に排出されたCO2をオフセットする方法、例えばカーボンクレジットの購入や炭素吸収プロジェクトへの投資が該当します。
- 脱炭素: CO2排出を根本から減らす方法、例えば電気自動車への移行やエネルギー効率の高い建物の設計が含まれます。
3. 目標の違い
- カーボンニュートラル: 短期的にはCO2排出の影響を中和することを目指しますが、長期的な脱炭素化には必ずしも寄与しない場合があります。
- 脱炭素: 長期的には化石燃料の使用を減らし、持続可能なエネルギー源への移行を目指します。
4. 手段の違い
- カーボンニュートラル: 再生可能エネルギーの利用、炭素吸収源の保護や拡大などが主な手段です。
- 脱炭素: 化石燃料の使用を減らし、持続可能なエネルギー源への移行が主な手段です。
5. 時間枠の違い
- カーボンニュートラル: 短期的な目標達成に焦点を当てることが多いです。
- 脱炭素: 長期的な視点での環境影響の削減を目指します。
6. 経済的アプローチの違い
- カーボンニュートラル: カーボンクレジットやカーボンオフセットなどの市場メカニズムを利用します。これにより、CO2排出量を金銭的に相殺することが可能です。
- 脱炭素: エネルギー効率の向上、持続可能な技術への投資など、より根本的な経済的変革を目指します。これには、新しい技術の開発や既存のインフラの改善が含まれます。
7. 政策の焦点の違い
- カーボンニュートラル: 炭素排出権の取引や炭素税など、炭素排出量を金銭的に管理する政策が中心です。
- 脱炭素: 再生可能エネルギー政策や化石燃料の使用制限など、より直接的な環境保護政策が中心です。
8. 実施の範囲の違い
- カーボンニュートラル: 個別の企業やプロジェクトレベルで実施されることが多く、特定の活動や製品に焦点を当てます。
- 脱炭素: 国家や地域全体の広範な取り組みが必要であり、社会全体のエネルギーシステムやライフスタイルの変革を目指します。
9. 社会的影響の違い
- カーボンニュートラル: 現在のライフスタイルやビジネスモデルを維持しつつ、環境負荷を中和することが可能です。
- 脱炭素: より根本的なライフスタイルやビジネスモデルの変革を促し、持続可能な社会の構築を目指します。
10. 技術的アプローチの違い
- カーボンニュートラル: 炭素排出をオフセットするための技術(例:炭素捕獲・貯蔵)の利用が含まれます。
- 脱炭素: 低炭素または無炭素の技術(例:太陽光発電、風力発電)への移行が中心です。
カーボンニュートラルと脱炭素の違いの疑問
【脱炭素社会とカーボンニュートラルの違いを教えて下さい。何が違うのでしょうか?】
出典:Yahoo!知恵袋
今更ですが、脱炭素、カーボンニュートラルって何ですか??
出典:Yahoo!知恵袋
このような質問がネットで多く見られます。
人によっては同じということを話されている方もいます。
ただ、実際に何が違うのかというと
カーボンニュートラル
→実質Co2の排出量が0
脱炭素
→そもそも排出量が0
の違いになります。
カーボンニュートラルの場合
Co2の削減が100
Co2の排出が100
結果0というものです。
脱炭素の場合は
Co2の排出が0
が目標になります。
段階的なものの考えだと
カーボンニュートラル→脱炭素
に移行していくと思われますが。
Co2の排出量を0にすることは容易ではないでしょう。
人工石油でも結果Co2はゼロですが、使用した時にCo2は排出されるので。
カーボンニュートラルとしては実現しているが、脱炭素としてはCo2を排出しているので実現できていないということになりますね。
では、この世の中全てからCo2の排出をゼロにすることは可能なのか?
という脱炭素の取り組みに対しても色々疑問はありますが、この件についてはまた別の記事で紹介します。
まとめ
今回は、カーボンニュートラルと脱炭素の違いについて紹介しました。
日本ではまだまだ火力発電の頼っていることもあり、実現までの道のりは遠いですが。
それでも最近は新しい電力発電の開発も進められているので、想像を超える新しい何かが生まれるかもしれませんね。
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