ビルメン4点セットとは?
ビルメン業界、別名設備管理業界で活躍するためには、「ビルメン4点セット」と呼ばれる4つの国家資格を取得することが推奨されています。
これらの資格は、設備管理の現場で必要不可欠なスキルと知識を証明するものであり、プロフェッショナルとしての地位を確立するために役立ちます。
ビルメン4点セットの難易度
資格名 | 難易度評価 | 評価の根拠 |
---|---|---|
危険物取扱者乙種4類 | ★★★☆☆ | 市販の問題集を利用すれば比較的簡単に合格可能。勉強範囲も広くない。 |
2級ボイラー技士 | ★★★☆☆ | 過去問が繰り返し出題されるため、過去問を中心に学習すれば合格しやすい。 |
第二種電気工事士 | ★★★★☆ | 筆記試験と実技試験の2部構成で、学習に手間がかかるが、正しい方法で学習すれば合格可能。 |
第三種冷凍機械責任者 | ★★★★★ | ビルメン4点セットの中で最も難易度が高く、過去問に似た問題が出るものの、完全に同じ問題は出ないため、テキスト等を使ってしっかり理解する必要がある。 |
※4つの中で一番難しいものを★5にしています。
ビルメン4点セットの所持率
ビルメン4点セットの各資格の平均値が以下のようになっています。
危険物取扱者乙種4類
年度 | 申請者 | 受験者 | 合格者 | 合格率 |
---|---|---|---|---|
30 | 13,541 | 13,045 | 8,834 | 67.7% |
R1 | 13,084 | 12,535 | 8,545 | 68.2% |
R1 | 13,084 | 12,535 | 8,545 | 68.2% |
R2 | 11,034 | 10,612 | 7,513 | 70.8% |
R2 | 11,034 | 10,612 | 7,513 | 70.8% |
R3 | 13,622 | 13,056 | 9,266 | 71.0% |
R3 | 13,622 | 13,056 | 9,266 | 71.0% |
R4 | 12,041 | 11,555 | 8,217 | 71.1% |
R4 | 4,874 | 4,697 | 3,293 | 70.1% |
R5 | 4,424 | 4,241 | 2,926 | 69.0% |
平均 | – | – | – | 69.9% |
この表から、危険物取扱者乙種4類の試験においては、年度を通じて安定して高い合格率が維持されていることがわかります。
参考情報元:一般財団法人 消防試験研究センター
2級ボイラー技師
試験区分 | 受験者数(人) | 合格者数(人) | 合格率(%) |
---|---|---|---|
二級ボイラー技師 | 23,978 | 12,227 | 51.0 |
参考情報元:安全衛生技術試験協会
第二種電気工事士
項目 | 平均値 | 昭和60年〜平成17年 | 平成18年〜平成22年度 | 平成23年度〜令和5年度 | 平均合格率 |
---|---|---|---|---|---|
受験申込者 | 85,994 | 80,686 | 90,899 | 89,530 | – |
学科申込者 | 85,994 | 80,686 | 90,899 | 89,530 | – |
学科免除者 | 22,006 | 25,292 | 20,605 | 18,389 | – |
学科試験小計 | 108,000 | 105,979 | 111,504 | 107,920 | – |
学科受験者 | 77,987 | 73,694 | 86,294 | 80,282 | – |
学科合格者 | 41,235 | 39,365 | 47,714 | 51,543 | – |
学科合格率 | 52.87% | 53.44% | 55.24% | 64.21% | 57.63% |
技能試験申込者 | 68,044 | 62,692 | 61,504 | 47,104 | – |
技能試験受験者 | 63,422 | 58,121 | 57,381 | 43,981 | – |
技能試験合格者 | 29,354 | 28,065 | 30,896 | 32,062 | – |
技能試験合格率 | 46.29% | 48.29% | 53.85% | 72.91% | 57.68% |
年々合格率が上がっていることから、ビルメンに関わる人なら必須とも言える資格になっています。
情報参考元:一般財団法人 電気技術者センター
第三種冷凍機械責任者
年度 | 受験者 | 合格者 | 合格率 (%) |
---|---|---|---|
H10年度 | 7423 | 3332 | 44.9 |
H11年度 | 7992 | 4066 | 50.9 |
H12年度 | 7717 | 3375 | 43.7 |
H13年度 | 7894 | 3522 | 44.6 |
H14年度 | 8159 | 4121 | 50.5 |
H15年度 | 8400 | 4245 | 50.5 |
H16年度 | 8105 | 2927 | 36.1 |
H17年度 | 7730 | 3133 | 40.5 |
H18年度 | 7478 | 3101 | 41.5 |
H19年度 | 7247 | 3179 | 43.9 |
H20年度 | 7518 | 4036 | 53.7 |
H21年度 | 7907 | 2597 | 32.8 |
H22年度 | 8209 | 3899 | 47.5 |
H23年度 | 7878 | 3219 | 40.9 |
H24年度 | 8160 | 2675 | 32.8 |
H25年度 | 8839 | 3023 | 34.2 |
H26年度 | 9022 | 1714 | 19.0 |
H27年度 | 9801 | 2534 | 25.9 |
H28年度 | 8913 | 3106 | 34.8 |
H29年度 | 8120 | 3007 | 37.0 |
H30年度 | 7768 | 3090 | 39.8 |
令和元年度 | 7908 | 2565 | 32.4 |
令和2年度 | 7541 | 1383 | 18.3 |
令和3年度 | 9858 | 3996 | 40.5 |
令和4年度 | 8305 | 1890 | 22.8 |
平均 | 8106.8 | 3170.8 | 39.1 |
参考情報元: EchoLand-plus
ビルメン4点セットの取得優先順位とその理由
第二種電気工事士
第二種電気工事士の重要性
ビルメンテナンスの業界では、様々な資格が求められますが、中でも「第二種電気工事士」は特に重視されるべき資格です。
この資格は、ビルメンテナンスの仕事を効率よく、かつ安全に進めるためには欠かせないものと言えるでしょう。
第二種電気工事士の優先度
ビルメンテナンスの現場では、電気関連の作業が頻繁に発生します。
その際、法的な観点からも「第二種電気工事士」の資格を持っていることが求められます。
この資格を持っていないと、仕事の幅が大きく制限されてしまうため、取得の優先順位は非常に高いと言えます。
取得のメリット
この資格を取得することで、ビルメンテナンスの仕事をスムーズに進めることができるだけでなく、就職や転職の際にも有利に働くことが期待できます。
特に、ビルメンテナンスの業界では、この資格を持っているかどうかが重要視される傾向にあります。
資格取得に向けて
「第二種電気工事士」の試験は年に2回実施されており、計画的に学習を進めることが合格への近道です。試験の詳細については、電気技術者試験センターの公式ウェブサイトを参照してください。
ビルメンテナンスの仕事を効率よく、安全に進めるためには、「第二種電気工事士」の資格が欠かせません。
この資格を取得することで、仕事の幅が広がり、キャリアアップにも繋がるでしょう。取得の優先順位は非常に高いため、早めの取得をお勧めします。
第二種電気工事士の受験方法
第二種電気工事士試験の申込みと受験料について
第二種電気工事士試験を受験する際、申込み方法によって受験料が異なります。オンライン申込みの場合、13,800円が必要で、支払いはクレジットカードやコンビニ決済など複数の方法から選択可能です。一方、郵送での申込みを選ぶと、受験料は14,200円となり、支払いはゆうちょ銀行で行う必要があります。
第二種電気工事士試験の科目と試験内容
一次試験の概要
第二種電気工事士試験の一次試験は、理論、電力、機械、法規の4科目から構成されており、マークシート方式で行われます。
各科目の内容は、電気技術者試験センターの公式ウェブサイトで詳細を確認できます。
二次試験の概要
二次試験は記述式で、「電力・管理」と「機械・制御」の2科目を受験します。この試験では、一次試験で得た知識を活用し、より実践的な問題に挑戦します。
第二種電気工事士試験の特徴と対策
第二種電気工事士試験は、電験三種と比較して難易度が高く、専門的な知識が求められます。特に法規科目では、詳細な知識が必要とされるため、しっかりと対策を行うことが重要です。
また、二次試験の記述式試験では、具体的な答えを書くことが求められるため、理解を深めておく必要があります。
第二種電気工事士試験の科目別合格制度
第二種電気工事士試験では、一次試験の4科目全てに合格すると、二次試験の受験資格が得られます。
一部の科目のみ合格した場合は、科目合格となり、翌年度および翌々年度の試験でその科目の試験が免除されます。この制度を利用して、計画的に試験に臨むことが重要です。
注意事項:第二種電気工事士試験の電卓使用について
試験中は、四則演算と開平計算が可能な電卓の使用が許可されています。
ただし、数式が記憶できる電卓や関数電卓、印字機能を有する電卓は使用禁止です。電卓の使用にあたっては、音を発することができないタイプを選ぶようにしましょう。
過去問
興味がある方は挑戦してみてください!
2023年10月29日(日)実施
出典:電気技術者試験センター
第三種冷凍機械責任者
第三種冷凍機械責任者の役割と重要性
第三種冷凍機械責任者は、業務用の空調や冷凍庫などの冷凍機械設備を管理する重要な役割を担っています。
この資格を持つことで、設備の保安や管理業務を適切に行うことができ、安全かつ効率的な運用が可能となります。
優先度: なぜ第三種冷凍機械責任者の資格取得が優先されるべきか
第三種冷凍機械責任者の受験機会は年に一度のみであり、そのため資格取得のチャンスは限られています。
他の資格と受験時期が重なる場合でも、この資格を優先して取得することが推奨されます。
資格取得による手当やキャリアアップの機会も期待できるため、早期の取得が望ましいです。
メリット: 第三種冷凍機械責任者資格のメリット
第三種冷凍機械責任者の資格を取得することで、専門的な知識とスキルを身につけることができます。
これにより、冷凍機械設備のトラブル時に適切な対応が可能となり、外部業者とのコミュニケーションもスムーズに行えます。
また、資格手当の受給やキャリアアップの機会も増加するため、経済的なメリットも期待できます。
資格取得に向けて: 第三種冷凍機械責任者試験の対策と学習方法
第三種冷凍機械責任者試験の合格率は30~40%弱とされており、難易度は比較的高いです。
しかし、冷熱サイクルの基本をしっかりと理解し、過去問を繰り返し解くことで、独学でも合格を目指すことが可能です。
計算問題が出題されないため、理論理解と暗記が重要となります。効果的な学習方法や参考書、講習の選び方についても情報提供していますので、資格取得を目指す方はぜひ参考にしてください。
第三種冷凍機械責任者試験の受験方法
第三種冷凍機械責任者の試験申込と受験料
第三種冷凍機械責任者の資格を取得するためには、試験を受験する必要があります。
試験は年に一度、11月に開催され、申し込みは8月下旬から9月上旬まで行うことができます。
受験料は9,800円(電子申し込みの場合)で、書面申し込みの場合は10,300円が必要です。また、講習を受けることで試験科目を免除することも可能ですが、その際は別途講習費用がかかります。
第三種冷凍機械責任者試験の科目と内容
試験は「法令」と「保安管理技術」の2科目から構成されており、どちらも択一式の問題で出題されます。法令は高圧ガス保安法に関する知識を問い、保安管理技術は冷凍機械の基本的な保安管理に関する知識を問います。
合格基準は各科目ともに60%以上で、全科目の合計点が60%以上であっても、一つでも60%未満の科目があれば不合格となります。
第三種冷凍機械責任者試験の特徴と対策
第三種冷凍機械責任者の試験は、工業高校卒業程度の知識があれば十分に対応可能です。
しかし、近年の合格率は22.8%となっており、十分な対策をしなければ合格は難しいと言えます。
特に保安管理技術は冷凍機械に関する専門知識が必要となるため、過去問を解いて傾向を掴み、テキストや参考書を使ってしっかりと学習することが重要です。
第三種冷凍機械責任者の合格制度
試験に合格すると、高圧ガス保安協会から合格通知が届きます。
その後、試験地によって異なるが、通常は都道府県の担当窓口にて免許の申請を行います。
免許が交付されれば、正式に第三種冷凍機械責任者として活動することが可能となります。
第三種冷凍機械責任者の注意事項
試験申込みの際は、受験料の他にも振込手数料や郵送費用がかかることがありますので、事前に確認しておくことが大切です。
また、試験当日は体調を整え、余裕を持って試験会場に向かいましょう。
試験科目の免除を希望する場合は、事前に講習を受け、講習修了証を取得しておく必要があります。
二級ボイラー技士
二級ボイラー技師の重要性
2級ボイラー技士 2級ボイラー技士の資格は、ビルメンテナンスの現場で役立つ知識を学べるものです。
しかし、資格が必要な作業現場が減少しているため、その需要は徐々に低下しています。
それでも、ビルメンテナンスのプロとして、幅広い知識を持っておくことは重要です。
二級ボイラー技士の優先度と取得のタイミング
この資格の取得は、他のビルメンテナンスに関連する資格と比較して優先度はやや低めです。
試験は全国で頻繁に実施されており、比較的合格しやすいため、他の難易度の高い資格取得後に検討するのが良いでしょう。
二級ボイラー技士のメリット
2級ボイラー技士の資格を持っていることで、ビルメンテナンスの現場での信頼性が向上します。
また、実務経験がなくても、必要な知識と技能を身につけることができます。試験の内容も過去問題が多く出題されるため、効率的な学習が可能です。
二級ボイラー技士の資格取得に向けて
資格取得を目指す際は、まずは過去の試験問題を解いてみることから始めましょう。
また、ボイラーの実技講習も受講する必要がありますが、これは試験合格後でも受講可能です。
費用がかかるため、ビルメンテナンス会社に入社してから会社負担で受講するのも一つの方法です。
二級ボイラー技士の試験の科目と内容
試験はボイラーの構造、取扱い、燃料と燃焼、関連法令の4つの科目から構成されています。
これらの範囲をしっかりと学習し、ボイラーに関する幅広い知識と技能を身につけましょう。
二級ボイラー技士の試験の特徴と対策
二級ボイラー技士試験は初心者でも3ヶ月程度の学習で合格が可能です。
効率的な学習方法を選び、計画的に勉強を進めることが重要です。通信講座などを利用して、合格を目指しましょう。
二級ボイラー技士の合格制度
実務経験がない場合は、ボイラー実技講習を受講することで、実務経験として認められます。講習は3日間で構成され、座学と実習があります。修了証は免許証発行の際に必要となるため、大切に保管してください。
注意事項:申請書類と手続き
合格後は必要な書類を揃え、東京労働局免許証発行センターに郵送で申請してください。申請窓口はないため、対面での申請はできません。
また、転居した場合は住民票も必要となりますので、注意してください。