現代のビジネス環境は、テクノロジーの進化と消費者のニーズの変化により急速に変化しています。
これに対応するためには、企業はデジタルトランスフォーメーション(DX)を積極的に推進する必要があります。
味の素グループは、このDXを取り組みの中心に据え、食と健康の課題解決企業として社会変革をリードしています。
パーソナライズドマーケティング
顧客個別化の取り組み
今日の企業にとって、一人ひとりの顧客の理解は絶対的な重要性を持ちます。マスマーケティングの時代は終わりを告げ、その場に適した製品やサービスを提供することが求められています。
そのために、味の素グループはパーソナライズドマーケティングに注力しています。個々の顧客の購入履歴、デモグラフィック情報、生活習慣など、さまざまなデータを組み合わせて、一人ひとりの顧客に対する最適なアプローチを計算し、提供します。
これにより、より個々に適した製品やサービスの提案が可能となり、顧客満足度の向上と顧客ロイヤリティの確保につながります。
データ分析による広告企画
デジタル技術の発展により、企業は従来に比べてはるかに多くのデータにアクセスできるようになりました。味の素グループは、このデータを活用してパーソナライズドな広告企画を行っています。
例えば、SNS上の投稿から家族についての情報を分析し、”親が食を通じて子どもたちに伝えたい本音”など、顧客の潜在的な欲求を探り出します。
このような洞察を基にして広告を企画することで、顧客の興味を引く、感情に訴える、そして購買意欲を引き出す広告を作成することが可能になります。
デジタル化による多様なニーズの捉え方
私たちの社会は多様性の時代に入っています。人々の価値観やライフスタイルはますます多様化し、それぞれが求めるものは千差万別です。
しかし、デジタル化が進んだ現代では、そうした多様なニーズを理解し、取り組む手掛かりとなるデータが溢れています。
味の素グループはデジタルデータを活用し、従来のインタビューやアンケート調査と組み合わせることで、より深く、広く、精密に顧客のニーズを掴んでいます。
そしてそれらの情報を基に、新製品の開発から、マーケティング、販売戦略までを立案し、多様なニーズに対応した製品やサービスを提供することが可能になります。これにより、顧客満足度を高め、さらなるビジネスチャンスを創出しています。
スマートファクトリー
AIとロボット導入の効果
AIとロボットは、製造業の効率化と生産性向上のための重要なツールとなっています。味の素グループは、これらのテクノロジーを工場に導入し、さまざまな効果を実現しています。
具体的には、AIとロボットにより、単純作業の自動化や生産ラインの最適化が可能になり、作業員の負荷軽減やヒューマンエラーの削減に貢献しています。
また、AIの予測分析機能を用いることで、故障予防や保守作業の最適化も実現しています。これにより、生産性の向上だけでなく、工場全体の効率化とコスト削減にもつながっています。
PLANTAXIS®による工場のリモート設備管理
味の素グループは、デジタル技術を用いた新たな工場管理システム、PLANTAXIS®を開発し、導入しています。
このシステムは、工場の敷地全体をレーザースキャンしてデータ化し、設置された機械のデータには点検履歴や取扱説明書を紐づけます。
これにより、工場の運営管理者は、遠隔地からでも工場の状況をリアルタイムで把握し、適切な対応を行うことが可能となります。
新規機器導入やレイアウト変更を考える際も、PLANTAXIS®で表示した3Dデータ上で検討できるため、より効率的な意思決定を行うことが可能になります。
3D工場と効率的な製造
PLANTAXIS®によってデータ化された3D工場は、製造の現場に革新的な変化をもたらしています。
工場のレイアウトや機器配置の最適化、メンテナンスの計画性向上、トラブル発生時の迅速な対応など、製造全体を通して多くの利点を享受しています。
さらに、3D工場データはリモートでアクセス可能であるため、地域や時間を問わずに必要な情報にアクセスし、適切な対応を取ることが可能になります。
これにより、生産性の向上だけでなく、工場運営の効率化や柔軟性の向上にも寄与しています。
サプライチェーンのエコシステム
スマートネットワーク化による効率化
味の素グループは、デジタル技術を活用して経営やサプライチェーンをスマートネットワーク化しています。
このスマートネットワーク化により、製品の製造から販売までの一連の流れを一元的に管理することが可能となり、より効率的な運営が実現しています。
また、データ分析により需要予測の精度を高め、在庫管理を最適化し、無駄なコストを削減しています。さらに、サプライチェーンの全ての段階での情報を共有することで、速やかに問題を察知し、迅速に対応することが可能になります。
エコシステムの形成と組織の機能向上
味の素グループは、社内外の協力企業と共に大きなネットワークを形成し、エコシステムを構築しています。
このエコシステムの中で、社員それぞれが様々な働き方と責任を持って参加し、自身の役割を最大限に果たしています。
このような組織の活性化により、企業全体としての能力が向上し、新たな価値を創出する力が強化されています。
グループ全体の大きな変革
味の素グループは、サプライチェーンのエコシステム化により、グループ全体のビジネスモデルを大きく変革しています。
JV化やアウトソース化なども含め、組織の枠組みそのものを見直し、より効率的で、より多角的なビジネスを展開しています。これらの取り組みは、企業の持続的な成長と、時代の変化に対する適応能力の向上を可能にしています。
コレクティブインパクトを実現する新事業変革
新しい事業モデルの追求
味の素グループは、社会的な課題解決と持続的な成長を目指すため、新しい事業モデルの追求に力を注いでいます。
これまでの事業範囲にとらわれず、社会的価値を創出する新たな事業領域を開拓しています。
具体的には、「食と健康の課題解決企業」というビジョンの下、消費者の健康と幸福を向上させる新たなサービスや製品を提供することで社会に貢献しています。
外部パートナーとの協創・協業
新しい事業モデルを追求するために、味の素グループは外部パートナーとの協創・協業を重視しています。
これには、異なる視点や知識を持つ様々なパートナーとの共同作業を通じて、より深みのある問題解決や革新的なアイデアの創出を実現する意図があります。
こうした協創・協業の取り組みは、企業が持つ限られたリソースだけでは到達できない新たな可能性を切り開くことを可能にします。
CDOとDX推進委員会によるバックアップ
味の素グループでは、新事業変革を支えるために、CDO(Chief Digital Officer)とDX推進委員会がバックアップを行っています。
CDOとDX推進委員会は、デジタル技術の活用や組織文化の変革など、事業変革に必要なさまざまな要素を統合的に推進する役割を果たしています。
こうした体制により、味の素グループは組織全体でのDX(デジタルトランスフォーメーション)を実現し、持続的な成長と社会貢献を図っています。
「食と健康の課題解決企業」として社会変革をリード
DXを通じた食と健康の課題解決
味の素グループは、デジタルトランスフォーメーション(DX)を積極的に推進しています。そして、このDXを通じて「食と健康の課題解決企業」として社会変革を引き起こすことを目指しています。
具体的には、AIやIoTを活用した生産性向上、データ分析を用いた顧客行動の予測など、デジタル技術をフルに活用して食と健康に関する課題を解決しています。
また、持続可能な社会を実現するために、デジタル技術を用いた環境配慮型の製品開発や、エコシステムの構築にも取り組んでいます。
デジタル技術と業務改革の両輪による進化
デジタル技術の進化だけではなく、業務改革も重要な要素です。味の素グループは、デジタル技術と業務改革の両輪を回すことで、企業全体の成長を加速させています。
具体的には、業務の効率化やデジタル化による生産性向上、新たなビジネスモデルの探求、人材のデジタルスキル向上などに取り組んでいます。また、企業文化や組織風土の変革も行い、変化に対応できる組織を作り上げています。
新たな未来への挑戦と味の素ストーリーの展開
味の素グループは、新たな未来に向けた挑戦を続けています。これは、企業の使命である「食と健康の課題解決企業」を実現するための取り組みです。
新たな価値創造や社会貢献を追求し、持続可能な社会の実現に貢献しています。
その一方で、味の素グループの歴史や価値観、そしてこれまでの成功体験を「味の素ストーリー」として伝え続けることで、ステークホルダーとの信頼関係を深め、ブランド価値を高めています。
まとめ
味の素グループが取り組むDXは、単なるテクノロジーの導入以上のものです。それは、企業全体の業務改革、新たなビジネスモデルの創出、そして社会的な課題解決への取り組みを含んでいます。
そして、それらすべてが組み合わさった結果、「食と健康の課題解決企業」としての味の素の真の価値が生まれています。この価値は、今後も継続的に高まっていくことでしょう。
味の素グループのDXの取り組みを通じて、我々は未来の企業像と社会への可能性を垣間見ることができます。
情報参照元:味の素ホームページ