日本人もかかることの多いうつ病にサイコパスは発症する可能性はある?

日本人もかかることの多いうつ病にサイコパスは発症する可能性はある?

うつ病は日本でも広く知られるようになりました。

気分が落ち込んでしまう、食欲や性欲がなくなってしまうなどさまざまな症状の現れるうつ病は決して他人事ではありません。

 

日本人100人のうち、およそ6人が障害の中で1度はうつ病を経験するという調査結果も出ているほどです。

ところでサイコパスと呼ばれる人はうつ病に罹患するリスクはあるのでしょうか?

 

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サイコパスがうつ病にかかるリスクは低い

結論から言うと、サイコパスがうつ病にかかるリスクは低いと考えられています。

うつ病になりやすいタイプとサイコパスの人格とでは全く異なるからです。

 

うつ病になりやすい人とは?

うつ病にかかるメカニズムについては、まだはっきりしたことはわかりません。

しかしうつ病になりやすいタイプはいろいろとわかっています。

生真面目な人で自分に厳しい完璧主義、周囲に気を遣う、自分の意見や本音をなかなか言えないなどです。

 

サイコパスの人格とは真逆

一方サイコパスの人たちの特性を見てみると、真逆に近いことがわかります。

まず自分のことしか考えていません。

周囲に気を遣うことがありません。

 

というよりも他人に対する共感力がまるでありません。

また何か問題が発生しても、「自分のせいだ」とは感じません。

他人のせいにしたり、運が悪かったりと考えます。

 

反省をしないので、自分を追い込むようなことはないわけです。

目的を達成するためには嘘をつくなど手段を選びません。

そこで良心の呵責を全く感じません。

 

このようにストレスをほとんど感じることがないので、うつ病にはなりにくいです。

 

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うつ病とセロトニンの関係

うつ病についてはまだよくわからないこともありますが、セロトニンが大きく関係していると考えられます。

うつ病にかかっている人を見ると、おおむねセロトニンの量が少ないといわれています。

 

セロトニンとは

セロトニンとは睡眠や食欲、体温調整、痛みなどに関わっています。

セロトニンは全身にあるのですが、特に多いのが脳です。

 

古い大脳辺縁系にはセロトニンが非常に多いといわれています。

この部分は感情を主につかさどっています。

ところがうつ病の人は、この部分のセロトニンの量が少ないことがわかっています。

 

うつ病で自殺した人の脳を見てみると、セロトニンが非常に少なくなっていました。

セロトニンの分泌が鈍いと感情が抑えつけられます。

 

その結果、うつ病を発症するのではないかとみられています。

またセロトニンの前駆物質として、5HIAAというものがあります。

うつ病の人の髄液検査の結果、5HIAAが少なくなっていることも判明しています。

 

一方うつ病から立ち直った人の髄液を見ると、5HIAAが通常の量に戻っていることもわかっています。

そこでうつ病とセロトニンの量には密接な関係があると考えられています。

 

サイコパスの髄液検査

サイコパスの方の髄液検査を行った研究もあります。その結果、5HIAAの少ないことがわかりました。

一見すると結果はうつ病の方と一緒ですが、そのメカニズムが異なるといわれています。

 

セロトニンはモノアミン酸化酵素と呼ばれるものによって5HIAAに分解されます。

サイコパスの人のモノアミン酸化酵素の活性が低いこともわかっています。

ということはセロトニンが5HIAAに分解する反応活性の低いことがうかがえます。

 

うつ病の人はセロトニンがもともと少ない傾向であることがわかっています。

一方サイコパスの方はセロトニンはあるけれども、なかなか分解されない状態になっていることが推測されます。

 

脳内セロトニンが過剰に産生されている可能性が疑われます。

特にこのようなタイプのサイコパスの場合、衝動的な行動に出る可能性があります。

 

実際セロトニンを分解するモノアミン酸化酵素が全くない家系の人がいました。

このような方は非常に暴力的な行動を起こすこともわかっています。

 

このように今まで判明しているうつ病の脳内メカニズムにおいても、サイコパスの人はうつ病とは正反対の特性を持っていることがわかります。

 

この側面で見ても、サイコパスの方がうつ病を発症するリスクは極めて低いと考えられます。

 

まとめ

うつ病は日本人であれば、罹患するリスクはそれなりにあります。決して珍しい病気ではありません。

しかしサイコパスの人格を有している人の場合、性格的に見ても脳内のメカニズムで見ても発症する可能性は低いようです。

 

サイコパスは他人のことを思いやらない、他人の感情を理解したり共有したりすることができない人たちです。

他人は自分の目的や利益を実現するための手駒としか思っていません。

 

ですからその結果、他人が何らかの損害を被ったとしても良心の呵責を全く感じません。

ですから心の病になるリスクは低いでしょう。

 

ただしサイコパスに振り回される周りの人の中には、精神的に疲弊してしまう恐れがありますので注意しなければなりません。

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